FIRE CLINIC(ファイヤークリニック)

防風通聖散について医師が徹底解説!ダイエット効果や副作用、遺伝子への働きやおすすめの飲み方をご紹介

皆さんこんにちは!FIRE CLINICです!

防風通聖散をご存知でしょうか?

ダイエットに効果があることで有名な漢方ですよね。

読み方は「ボウフウツウショウサン」と読みます。

今回は人気のダイエット漢方である防風通聖散について、医療ダイエット専門医師が詳しく解説していきます!

防風通聖散とは

肥満や便秘に効果のある漢方です。

漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。

防風通聖散には、“防風”や“麻黄”など病因を発散して治す発散性の生薬を中心に、熱や炎症をさますもの、便通をよくするもの、無駄な水分を取り去るもの、あるいは血流をよくする生薬などがいろいろと配合されています。

これらが一緒に働くことで、よりよい効果を発揮します。

防風通聖散に含まれている生薬

  • 防風(ボウフウ)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 大黄(ダイオウ)
  • 芒硝(ボウショウ)
  • 麻黄(マオウ)
  • 石膏(セッコウ)
  • 白朮(ビャクジュツ)
  • 荊芥(ケイガイ)
  • 連翹(レンギョウ)
  • 桔梗(キキョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 薄荷(ハッカ)
  • 滑石(カッセキ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 甘草(カンゾウ)

東洋医学において防風通聖散は解表攻裏剤というものに分類され、もともとは風邪薬として使用されていました。

表証を解して、裏熱を清する漢方薬です。

具体的には、悪寒や発熱などの表証に加えて、目の充血・口の渇き・便秘や尿が濃くなるといった裏熱の症状、すなわち風邪をひいて体に熱がこもった状態に対して使用する漢方でした。

やがて慢性症状である臓毒証体質の人に用いられるようになりました。

また難しい用語が出てきましたが、臓毒証体質の人は以下のような特徴があります。

  • 肌が色白、黄白色
  • 便秘しやすい
  • 体格は骨格がたくましく、脂肪型または筋肉型が多い
  • 内臓脂肪が多くぽっこりしたお腹(太鼓腹)
  • なり易い病気:虫垂炎、腎疾患、糖尿病、動脈硬化など

これらはまさに肥満や生活習慣病の方の特徴です

そのため防風通聖散が肥満に使用されるようになりました。

結論、防風通聖散は体の熱をさまし、体の水分循環を改善して便通を促す作用があります。

具体的に肥満症便秘尿量減少むくみのぼせ肩こりなどの治療に用います

また、そのような症状をともなう高血圧症や腎臓病、糖尿病などにも使用します。

防風通聖散の作用機序

防風通聖散の作用機序をご説明します。

麻黄中のエフェドリンは交感神経終末からのノルエピネフリン(NE)分泌を促進します(赤矢印)。

NE が白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞のアドレナリン受容体(β)に結合すると、脂肪分解や cAMP の活性化を介した熱産生が生じます。

甘草、連翹、荊芥に含れる有成分による PDE 阻害作用によりcAMPの分解が抑制されるため、この効果が長く続きます(青矢印)。

また腸管において脂肪の吸収を防ぎ、便から脂肪の排泄を促すという効果もあります。

これらの作用によりダイエット効果を発揮します。

また便秘への作用機序は、大黄に含まれているセンノシドAという物質が腸内細菌によって分解される過程でプロスタグランジンという炎症などで生じる物質を生成します。それによって腸管が刺激され排便を促します。

防風通聖散のダイエット効果

防風通聖散は肥満を改善するのみならず、血圧を下げたり血糖値やコレステロールを安定させる効果が認められています

実際に行われた研究を見ていきましょう。

まず、北陸大学で行われたマウスに対する研究です。

5週間高脂肪食を与え、肥満にしたところで高脂肪食を継続しながら、防風通聖散を投与する郡と投与しない群に分けて体重の変化を観察しました。

縦軸が体重の変化(g)で横軸が日数になります。

初めの6日で防風通聖散を投与されたマウスは体重減少が見られており、さらに防風通聖散の量が増えるほど体重が減少しているという結果になりました。

こちらは25日後のマウスの白色脂肪細胞の重さを比較したグラフです。左の防風通聖散を投与してないマウス(一番左のグラフ)に比べて、防風通聖散を投与したマウスは明らかに脂肪の量が減少しているのがわかります。

こちらはCT検査にてマウスの内臓脂肪を観察した画像です。紫の部分が内臓脂肪を表していて、水色の部分は筋肉や内臓を表しています。

防風通聖散を使用したマウスの方が内臓脂肪が少ないことが明らかですね!

さらにこちらの研究では防風通聖散は脂肪燃焼に関わる遺伝子であるUCP-1遺伝子の発現を上昇させるという結果も得られています。

参考文献:Kobayashi, S., Kawasaki, Y., Takahashi, T., Maeno, H., & Nomura, M. (2017). Mechanisms for the anti-obesity actions of bofutsushosan in high-fat diet-fed obese mice. Chinese medicine12(1), 1-11.

人への効果を検証した研究として日本人を対象とした研究があります。

肥満外来を受診した81人の女性を対象として防風通聖散による体の変化を記録しました。

全ての被験者に食事療法を運動療法を行なっていただき、半分の被験者には防風通聖散を1回2.5gを1日3回(1日7.5g)の容量で24週間投与し、もう半分の被験者にはプラセボ(偽薬)を投与して違いを観察しました。

結果は以下の通りです。

防風通聖散を使用した群ではプラセボ群に比べて体重体脂肪率内臓脂肪が優位に減少し、安静時基礎代謝が上昇しました。

通常ダイエットを行うと食事量が減ってしまうことにより基礎代謝が減少するのですが、防風通聖散を飲むと基礎代謝を上げながらダイエットを行うことができます

ウエストやヒップに関しても防風通聖散を使用した群では24週時点でウエスト-17.3cmヒップ-11.4cmとかなり減少しています。

引用:日置智津子, 荒井勝彦, 高士将典, & 新井信. (2008). エビデンスによる漢方の再構築: メタボリックシンドロームに対する防風通聖散の有効性の検討. 医療薬学34(6), 513-521.

防風通聖散と遺伝子

先ほどマウスの研究のところで触れましたが、防風通聖散はいくつかのダイエットに関わる遺伝子の発現を促進します。

その代表としてUCP-1遺伝子があります。

UCP-1は褐色脂肪細胞(BAT)にのみ発現しており、ミトコンドリアでの熱産性に関わる遺伝子です。つまり痩せ遺伝子です。

褐色脂肪細胞は脂肪細胞という名前ですが、脂肪を燃焼する脂肪細胞になります。褐色脂肪細胞の働きが活発であればより脂肪を燃焼することができます。

防風通聖散はこのUCP-1を白色脂肪細胞でも増加させることが観察されました。

(参考文献:Akagiri, S., Naito, Y., Ichikawa, H., Mizushima, K., Takagi, T., Handa, O., … & Yoshikawa, T. (2008). Bofutsushosan, an oriental herbal medicine, attenuates the weight gain of white adipose tissue and the increased size of adipocytes associated with the increase in their expression of uncoupling protein 1 in high-fat diet-fed male KK/Ta mice. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition42(2), 158-166.

褐色脂肪細胞のみに発現しているはずのUCP-1が白色脂肪細胞で発現するとはどういうことかというと、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に近い細胞(ベージュ細胞)へと変化しているということです。(白色脂肪細胞の褐色化)

これにより脂肪燃焼効果が高まります

実際に防風通聖散は脂肪細胞の大きさを優位に縮小させるという研究結果も出ています。

また、肥満遺伝子というものをご存知でしょうか?

もしあなたが太りやすい体質、痩せにくい体質である場合、その原因の一つに肥満遺伝子の影響があるかもしれません

肥満遺伝子とはエネルギー消費や脂質代謝に関わる遺伝子の多様性によって普通の人よりエネルギーや脂質をうまく消費できなくなる遺伝子のことを指します。

現時点で10種類以上の遺伝子が肥満に関与しているのではないかとされています。

肥満の原因は7割が食生活などの生活習慣、残りの3割が肥満遺伝子によるものであると言われています。

日本人のほとんどの方が何らかの肥満遺伝子を持っていると考えられます。

防風通聖散はあなたの持つ肥満遺伝子の種類によって効果が変わってきます。

韓国で行われた、肥満遺伝子の種類ごとの防風通聖散の効果を検証した実験では、GNB3-C825T、ADRB3-Trp64Argこれらの肥満遺伝子を持ってる方は防風通聖散が有効で、逆にUCP2-del/ins、PPARγ2-Pro12Alaこれらの肥満遺伝子を持っている方は防風通聖散が有効ではないということが示唆されました。

遺伝子防風通聖散
GNB3-C825T、ADRB3-Trp64Arg有効
UCP2-del/ins、PPARγ2-Pro12Alaあまり有効ではない

(参考文献:Park, J., Bose, S., Hong, S. W., Lee, D. K., Yoo, J. W., Lim, C. Y., … & Kim, H. (2014). Impact of GNB3-C825T, ADRB3-Trp64Arg, UCP2-3′ UTR 45 bp del/ins, and PPARγ-Pro12Ala polymorphisms on Bofutsushosan response in obese subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Journal of medicinal food17(5), 558-570.

当院では治療前に遺伝子検査を行うことによって患者様毎に最も適した治療を行うオーダーメイドの治療を行なっております。

防風通聖散のおすすめの飲み方

防風通聖散は独特のあまみのある味がするお薬です。味が苦手で飲めないという方も多くいらっしゃいます。

漢方の飲み方としてはお湯に溶かして飲むことが本来の飲み方とされています。

しかし、どうしても苦くて飲めないという方はオブラートに包んで飲むことをおすすめします。

また、防風通聖散は市販のものと処方でのものがありますが、その違いは成分量です。防風通聖散処方のものは市販のものに比べて2倍の成分量が含まれています

どうせ苦い思いをするのであれば成分量の多いものを飲んだほうがおすすめです。

飲む回数としては朝夕の2回もしくは朝昼夕の1日3回食事前に飲むようにしてください。

防風通聖散を飲まない方がいい人

防風通聖散は初めに申し上げた通り、肥満や便秘にきくお薬です。

なので逆に既に痩せ型でお腹を下しやすい人は防風通聖散は飲まないほうが良いです。

防風通聖散の禁忌としては以下のようなものが挙げられます。

  • 下痢、軟便のある人
  • 胃腸の虚弱な人
  • 食欲不振、悪心、嘔吐(おうと)のある人
  • 病後の衰弱期、著しく体力の衰えている人
  • 発汗傾向の著しい人
  • 狭心症、心筋梗塞等の循環器系の障害のある人、または過去に障害があった人
  • 重い高血圧の人
  • 腎臓に重い障害のある人
  • 排尿障害のある人
  • 甲状腺機能亢進症の人
  • 妊婦中、授乳中の人

防風通聖散に含まれる成分である大黄は早産を促す可能性があるため妊婦の方な妊娠している方は控えましょう。

また、成分の一つである麻黄はドーピングの禁止薬物に含まれることが多いのでドーピング検査を受ける予定のある方も注意が必要です。

まとめ

今回は防風通聖散について詳しく解説させていただきました。

難しい内容もあったかと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございます。

当院では他にもたくさんのダイエット薬を処方しております。

当院でのダイエットにご興味を持っていただいた方はぜひ当院のHPもご覧ください。