脂肪溶解注射はなぜ痩せる?期待できる効果からリスクまで知っておきたい全知識を徹底解説
脂肪溶解注射って本当に効果あるのかなあ……
太ももと顔では効果が違ったりしないの?
このような悩みを解決する記事を用意しました。
脂肪溶解注射はやせる仕組みや薬剤ごとの違いを知るほど、自分に合っているかどうか判断しやすくなります。
この記事では、脂肪溶解注射のメカニズム、薬剤による作用の差、部位別の変化、誤解されやすいポイントまで整理してまとめました。迷いがある方ほど必見です。
Contents
脂肪溶解注射のメカニズム
脂肪溶解注射は、薬剤の作用で脂肪細胞そのものを壊し、体内で処理していく仕組みの施術。ダイエットでは落としにくい部分的な脂肪に働きかけるのが特徴です。
脂肪溶解注射の作用は大きく3つに分けられます。
- ① 脂肪細胞の膜を壊す作用
主成分として使われるデオキシコール酸が、脂肪細胞の細胞膜にアプローチします。膜が壊れると中の脂肪が外へ流れ出し、リンパを通って処理されていきます。一度壊れた細胞は元の大きさに戻らない点が、痩身効果の根本となります。 - ② 流れ出た脂肪の代謝を助ける作用
植物由来成分(アーティチョーク抽出物など)が加わった製剤では、流れ出た脂肪の排出を助ける働きがあります。むくみや停滞しやすい部位にも使いやすい理由がここにあります。 - ③ 炎症を抑え、肌のハリを支える作用
脂肪細胞が壊れると周囲に軽い炎症が起こりますが、鎮静成分がこの反応を抑えてくれます。コラーゲン生成が刺激され、ハリが出やすい点もメリットのひとつです。
脂肪溶解注射は、この3つの作用が重なり合うことで狙った部分だけを少しずつ引き締めていく仕組みになっています。
脂肪溶解注射はどのくらい痩せる?
| 薬品名 | 主成分 | デオキシコール酸 | 痛み・腫れ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| BNLS | ヒバマタなどの植物成分 | 入っていない | 少ない | 溶け出した脂肪を排出するとともにリンパ循環作用によってリンパの流れも改善 |
| BNLS neo | セイヨウトチノキ・カラクサケマン・デオキシコール酸 | 0.001% | かなり少ない | 従来のBNLSにプラスしてデオキシコール酸を配合植物由来の成分が主成分となっているため、身体への負担が少なく腫れや熱感も少ない |
| BNLS ultimate | デオキシコール酸・Lカルニチン・アーティチョーク抽出物 | 0.02% | かなり少ない | BNLS neoにデオキシコール酸をさらに200倍増量し、そのほかにも脂肪溶解作用のある成分を追加している |
| Kabelline(カベリン) | デオキシコール酸・Lカルニチン・アーティチョーク抽出物 | 0.5% | 少ない | 痛みや腫れを抑えることと、脂肪溶解効果を出すことを両立させるべく開発された |
| KYBELLA(カイベラ) | デオキシコール酸 | 1.0% | かなり強い | 2015年にアメリカのFDAによって脂肪溶解注射として承認された製剤であり、副作用が強く出てしまうことが多い |
脂肪溶解注射でどれくらい細くなるかは、使う薬剤の種類とデオキシコール酸の濃度で大きく変わります。濃度が高いほど脂肪細胞にしっかり作用しやすく、見た目の変化も出やすくなります。反対に濃度が低い製剤では、刺激が少ないかわりに引き締まりはゆるやかです。
臨床データがある製剤として知られているのは、カイベラ(ATX-101:デオキシコール酸1.0%)です。顎下の脂肪を対象に行われた研究では、複数回の施術で脂肪の厚みが有意に減ったと報告されています。この変化は体重が落ちるというより、輪郭の厚みが軽くなるイメージに近いです。
カベリン(0.5%)は刺激が少なく、何回か重ねることでゆっくり変化が出る傾向があります。脂肪量が少ない部位や腫れを控えたい場面で選ばれやすい製剤です。
BNLSシリーズ(0〜0.02%)はデオキシコール酸がほぼ含まれていないため、むくみの軽減や輪郭の軽い引き締まり向きです。脂肪量が多い部位では変化を感じにくいケースがあります。
全体として、脂肪溶解注射は体重そのものを大きく落とす施術ではなく、気になる部分の厚みを少しずつ減らしたいときに向いています。脂肪が薄くて落としにくい部位ほど、仕上がりの違いがわかりやすくなります。
Humphrey S, et al. (2021). Efficacy and Safety Follow-Up of the REFINE Trials. Dermatologic Surgery.
Georgesen C. (2017). The development, evidence, and current use of ATX-101. Dermatologic Therapy.
【部位別】脂肪溶解注射の効果を実感するまでの期間
| 施術部位 | 効果実感まで | 推奨回数 | 施術間隔 |
|---|---|---|---|
| 顔(フェイスライン・頬) | 2〜4週間 | 3〜5回 | 4〜6週間 |
| 二の腕 | 3〜6週間 | 3〜6回 | 6〜8週間 |
| 太もも | 4〜6週間 | 4〜6回 | 6〜8週間 |
| お腹 | 4〜8週間 | 5〜8回 | 6〜8週間 |
部位によって脂肪の厚みや代謝のスピードが違うため、脂肪溶解注射の実感時期にも差が出ます。
例えば、顔まわりのように脂肪が薄い部位では比較的早く変化を感じやすく、太ももやお腹のように脂肪が厚い部位はゆっくりとした変化になります。
変化の現れ方には個人差がありますが、一般的には「1回で大きく変わる施術」ではなく、数回の施術を積み重ねることで少しずつ厚みが軽くなるイメージに近いです。
脂肪量が少ない部位ほど効果が見えやすいため、顔まわりの脂肪には脂肪の脂肪が向いています。反対に、脂肪が厚い部位は複数回の施術が前提です。どの部位でも施術を重ねるにつれて変化が安定しやすくなるため、途中でやめてしまうと実感が弱くなるケースがあります。
▶合わせて読みたい:脂肪溶解注射は効果はいつ頃?効果を高める方法とともに解説!
脂肪溶解注射が向いている部位
- 顔(フェイスライン・頬・あご下)★★★★★
顔まわりは脂肪が薄く、少量の脂肪でも輪郭の印象が変わりやすいため相性が良いです。フェイスラインのもたつきや、あご下の厚みが軽くなると横顔のラインが整いやすくなります。腫れを抑えた製剤を選べば、日常生活に影響しにくい点もメリットです。 - 二の腕 ★★★★☆
二の腕は体重変化だけでは細くなりにくい部位です。肩に近い部分の脂肪が残りやすく、写真や服のシルエットにも影響しやすい場所です。脂肪の層がそこまで厚くない人は、数回の施術で引き締まりを感じやすくなります。 - 太ももの内側・バナナロール ★★★☆☆
太ももの中でも、内側やお尻の下(バナナロール)は脂肪が落ちにくい部位です。運動では変化が出にくい場所なので、局所的に気になる人に向いています。脂肪が多い場合は複数回の施術を前提に考えると仕上がりが安定しやすくなります。 - お腹(下腹部・脇腹) ★★☆☆☆
お腹まわりは脂肪のつき方に個人差が大きいですが、下腹部や脇腹のように部分的に厚みが残る場所には使いやすいです。脂肪溶解注射は皮下脂肪に作用するため、つまめる脂肪がある人ほど相性が良くなります。
脂肪溶解注射は、脂肪が薄いのに落ちにくい場所に向いています。
体重を落としても形が残りやすい部分に使うと、仕上がりの変化がわかりやすいです。
脂肪溶解注射の効果が現れにくいケース
- 内臓脂肪が多い場合
内臓脂肪は皮下脂肪と違い、薬剤が届かない層にあります。つまめないタイプのお腹は変化がわかりにくく、脂肪溶解注射より生活習慣の見直しや医療ダイエットが適しています。 - 脂肪が厚すぎる場合
太ももやお腹のように脂肪の層が厚い部位は、薬剤が作用する範囲が限られるため初回の変化が控えめになります。複数回の施術を重ねても変化がゆっくり進むケースがあります。 - たるみが原因で太って見える場合
皮膚の余りやたるみでシルエットが崩れている場合、脂肪を減らしても見た目が大きく変わらないことがあります。引き上げや引き締めのアプローチと組み合わせると改善しやすくなります。 - 骨格や筋肉の張りが影響している場合
エラの張りや僧帽筋の発達など、骨格や筋肉の影響で太って見えるケースもあります。この場合は脂肪溶解注射では変化しにくく、ボトックスなど別の施術が向いています。 - バッカルファットが影響する顔の丸み
頬の厚みがバッカルファット由来の場合、脂肪溶解注射ではアプローチできません。丸顔の原因がどこにあるのかを見極めると、施術の選び方がクリアになります。
脂肪溶解注射の効果が現れにくいケースは上記の通りです。共通しているのは、そもそもの「太って見える理由」が脂肪ではない、もしくは脂肪があっても薬剤が届きにくい層にある点。
たとえば、内臓脂肪が多いお腹は、見た目がふくらんでいても手でつまめる脂肪が少ないことがあります。このタイプは注射の作用が及ばないため、見た目の変化がほとんど出ません。
一方で、脂肪はあるけれど層が厚すぎる場合も、1回の施術で動きにくく、変化がゆっくり進む傾向があります。
また、脂肪が原因に見えても、実際はたるみや骨格、筋肉の張りが目立っているケースもあります。脂肪を減らしても輪郭が変わらず「思っていた仕上がりにならない」と感じるのはこのタイプです。頬の丸みがバッカルファット由来の場合も同じで、脂肪溶解注射とは相性が合いません。
▶合わせて読みたい:脂肪溶解注射は危険?リスクに関する誤解について痩身専門医師が徹底解説
脂肪溶解注射の効果を高めるには?
脂肪溶解注射は、薬剤の種類や濃度、注入後の代謝の進み方によって仕上がりが変わります。少しの工夫を加えるだけで、変化を感じるタイミングが早くなるケースも。あまり変化を感じられない場合や効果を少しでも高めたい方は以下を実践してみてください。
1:マッサージで流れをサポートする
施術後は、壊れた脂肪がゆっくりと流れていく期間になります。
この流れが滞ると変化を感じにくくなるため、マッサージで流れをサポートしてあげるのがおすすめです。
マッサージを始めるタイミングは、痛みが落ち着いた頃。指先でやさしく押し広げるように触れると、重さや張りがほぐれやすくなります。軽い圧のほうが巡りが整いやすいため、強く揉む必要はありません。
2:代謝を落とさない生活を意識する
施術後の変化は、体内の巡りが整っているかどうかで差が出ます。冷えが続くと脂肪の処理が進みにくくなるため、湯船に浸かる時間を確保し、代謝を落とさない生活を意識するのがおすすめ。
また、水分が不足している場合も代謝が落ちやすく、むくみが残りやすい状態になります。日常の中で軽い運動を取り入れると、体温が上がりやすくなり、注射後の変化が出やすくなります。
3:食生活の偏りを避ける
脂肪溶解注射で脂肪細胞を破壊したとしても、食生活が偏ると残った細胞が肥大化し、リバウンドしてしまう可能性は全然あります。せっかく整い始めたラインがぼやけるため、極端な過食や深夜の食事が続かないように意識するのがおすすめです。
また、糖質や脂質に偏った食事が続くとむくみが残りやすくなり、注射後の変化が見えにくい状態になります。タンパク質や食物繊維を適度に取り入れると、体型の変化にもつながり、変化を実感しやすいです。
4:施術の間隔を守る
脂肪溶解注射は、一定の間隔で重ねることで変化が積み上がります。前回の反応が落ち着く前に続けてしまうと組織が安定せず、仕上がりに差が出にくくなるため、適切な間隔を空けて進めるのがおすすめです。
また、間隔が長く空きすぎる場合もラインのつながりが弱くなり、変化が感じにくい傾向があります。部位ごとに合ったペースがあるため、経過を見ながら調整すると仕上がりが安定します。
5:部位に合った薬剤を選ぶ
脂肪溶解注射は、薬剤の種類によって作用の強さや腫れの出方が変わります。顔のように皮膚が薄い部位は刺激が穏やかな製剤が扱いやすく、脂肪が厚い部位は高濃度の薬剤のほうが動きが出やすいため、部位の特徴に合わせて選ぶのがおすすめです。
また、個人の皮膚の厚みや脂肪量によっても合う薬剤が異なります。目的のラインに近づきやすい薬剤を選ぶことで変化が安定しやすく、施術を重ねた際の仕上がりにも差が出やすくなります。
脂肪溶解注射のよくある誤解
脂肪溶解注射の誤解でよくあるのが、体重にも変化があると思い込むこと。脂肪溶解注射で破壊できるのは皮下脂肪のみで、落とせる量も限られるため、体重がキロ単位で変化することはありません。見た目の輪郭を整える施術という位置づけになります。
皮下脂肪にしか作用しないため、内臓脂肪やバッカルファットが原因で太って見える場合は変化が出にくいです。骨格の影響や筋肉の張りが強いケースも同様で、脂肪溶解注射より別の施術が合うことがあります。
また、脂肪の層が厚すぎる部位では薬剤が広がりにくく、初回の変化が控えめになる傾向があります。複数回の施術を重ねて少しずつ厚みを減らしていくのが一般的です。
一度に入れられる量にも制限があり、100円玉大の範囲に対して1cc前後が目安です。そのため、1回で大きく見た目が変わる施術ではなく、平均3〜4回でラインを整えていく流れになります。
脂肪溶解注射のカウンセリングから施術までの流れ
● 1:カウンセリング
気になる部位や仕上がりのイメージを確認し、脂肪の厚みや皮膚の状態を診察します。
皮下脂肪の量や部位の特徴によって薬剤が変わるため、この段階で施術プランが決まります。
● 2:施術内容・費用の説明
使用する薬剤、必要な回数、費用、ダウンタイムの説明があります。
腫れや痛みの出方は薬剤によって異なるため、生活リズムに合わせて選びます。
● 3:麻酔
針の刺激が不安な場合は、表面麻酔を使用することがあります。
部位によっては麻酔なしで進めるケースもあります。
● 4:注入
脂肪の厚みを確認しながら薬剤を注入します。
一度に入れられる量には上限があり、広範囲をまとめて変える施術ではありません。
● 5:施術後のケア
当日の過ごし方やマッサージのタイミング、水分摂取の目安を案内されます。
腫れのピークや変化の出る時期も共有されるため、次回の予定が立てやすくなります。
脂肪溶解注射を受ける流れは上記の通り。初回は体質や脂肪のつき方を確認しながら、適応の有無や必要回数を判断します。
脂肪溶解注射のリスクや副作用・注意点
脂肪溶解注射は比較的受けやすい施術ですが、腫れや内出血などの反応が出ることがあります。薬剤の特性や体質によって注意すべき点が変わるため、事前に想定しておくと安心です。
以下で、副作用、リスク、適応外となるケースをそれぞれ解説します。
脂肪溶解注射の副作用
- 一時的な腫れ
- 赤みや熱感
- 押すと痛みが残る
- むくみや重だるさ
- 内出血(1〜2週間で吸収)
- 施術部位の圧痛
脂肪溶解注射は、注入部位に軽い炎症反応が起こるため、一時的に腫れや赤みが出やすい施術です。
とくにデオキシコール酸の濃度が高い薬剤では、腫れや熱感が強めに出る傾向があります。押したときに重さを感じたり、軽い痛みが残ることも。内出血が生じた場合は、吸収されるまでに1〜2週間ほどかかるケースが多いです。
脂肪溶解注射のリスク
- 腫れが長引く
- しこりや硬さが残る
- まれにしびれが出る
- 脂肪が薄い部位では凹みが生じる可能性
- 医師の技量によって仕上がりに差が出る
薬剤の作用が強い場合、腫れが長引く、硬さが残るなどのリスクがあります。
また、高濃度のデオキシコール酸では、まれに神経に近い位置へ作用してしびれが生じるケースもあります。脂肪が薄い部位に強い薬剤を使用すると凹みが目立つことがあり、注入量や深さの調整が重要です。
脂肪溶解注射の施術が受けられない人
- 妊娠中・授乳中
- 重度の糖尿病や肝機能障害がある
- 皮膚に感染や炎症がある
- 内臓脂肪が原因で太って見える場合
- バッカルファットが原因の頬の厚み
- 骨格や筋肉の張りが強い部位
- 薬剤アレルギーがある場合
妊娠中・授乳中は施術を避ける必要があります。
また、持病の種類によって代謝に負担がかかることがあり、医師の判断で適応外になる場合があります。皮膚に炎症や感染がある部位にも施術できません。
脂肪ではなく内臓脂肪やバッカルファット、骨格・筋肉が原因の場合も適応外となります。
まとめ
脂肪溶解注射では、脂質代謝の改善や脂肪細胞の破壊により脂肪を分解・代謝することでダイエット効果を得られる施術です。
外科手術ではないため、通常の手術に伴うリスクがなく、回復期間も短いという特徴があります。ただし、1回の施術による効果は乏しく、3~4回の施術をくり返すことが一般的とされています。
また、脂肪溶解注射は皮下脂肪にしか効果がないため、骨格がしっかりしていることにより太って見える方や内臓脂肪型の肥満の方には効果が期待できません。
ダイエットの目的や体の状態によって脂肪溶解注射の適応は変わります。
まずはご自身の目的に合っているかどうかチェックするためにカウンセリングで相談させてください。
ファイヤークリニック
PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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