フォシーガとはどんな薬?ダイエット目的での効果とリスクを解説
糖尿病治療薬として使用されるフォシーガ。
しかし最近では、一部のクリニックにて医療ダイエット薬として取り扱っており、服用してみようかなと気になっている方もいるのではないでしょうか。
ここではフォシーガの仕組みや効果、副作用、他薬との違いなどを分かりやすく解説します。服用を検討している方はもちろん、ダイエット目的で気になっている方も、ぜひ参考にしてください。
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Contents
フォシーガとは?
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、2型糖尿病の治療に用いられるSGLT2阻害薬のひとつです。腎臓で行われる糖の再吸収を抑えることで、余分な糖を尿として排出し、血糖値を下げる働きがあります。
2014年に米国で承認されて以来、欧州や日本をはじめ、世界各国で広く使用されています。現在は糖尿病だけでなく、慢性心不全や慢性腎臓病の治療薬としても適応が拡大されています。
服用は1日1回が基本です。腎機能が低下している場合は使えないこともあるため、事前に医師の判断が欠かせません。
一方で、尿路感染症や脱水などの副作用が起こる可能性もあります。安全に使うためには、必ず医師の指導のもとで服用する必要があります。
フォシーガのダイエット効果
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、糖の排泄を促す作用によって、糖尿病患者の体重が減少するケースが報告されています。もともと体重減少を目的に開発された薬ではありませんが、治療の過程で体重が落ちる副次的効果が期待できます。
SGLT2阻害薬の体重減少におけるメタ解析を行った研究では、フォシーガを服用した患者はプラセボ群に比べて有意に体重が減少していました。投与量が多いほど減少幅が大きくなる傾向も確認されており、以下のような結果が示されています。
- 2.5 mg⇨-1.30 kg
- 5 mg⇨-1.51 kg
- 10 mg⇨1.79 kg
- 20 mg⇨-2.24 kg
また、メトホルミンとフォシーガを併用した研究では、24週間で約3kgの体重減少とともに、内臓脂肪の顕著な減少も報告されています。体脂肪が優先的に減り、筋肉などの除脂肪体重は比較的保たれている点も特徴です。
点線がメトホルミンとプラセボ(偽薬)実践がメトホルミンとフォシーガを併用した場合の体重の推移を現した表です。
フォシーガを併用することによって明らかに体重の現象するスピードが速くなったことがわかりますね。
左がメトホルミン+プラセボ、右がメトホルミン+フォシーガ、白が脂肪量の減少、斜線が除脂肪体重の減少を表しています。メトホルミン+フォシーガの方が体脂肪の減少が明らかに大きく、体脂肪の減少に対して徐脂肪体重はある程度保てていることがわかりますね。
白が内臓脂肪、斜線が皮下脂肪の減少を表しているグラフです。メトホルミン+フォシーガの方が内臓脂肪も皮下脂肪もバランス良く減っていることがわかります。
このように、遠フォシーガには一定の体重減少効果があると科学的に裏付けられています。
ただし作用の本質は血糖値のコントロールにあり、痩せ薬として処方されるものではありません。効果の出方は生活習慣や体質によって異なるため、減量を目的とする場合は食事や運動の工夫も欠かせません。
フォシーガで痩せる理由
フォシーガの減量効果は、腎臓での糖の再吸収を抑える仕組みにあります。
フォシーガを服用すると、本来であれば体内に取り込まれるはずのブドウ糖が尿として排出されます。そのため、1日におよそ200〜300kcal分のエネルギーが失われ、結果的に体重減少につながるのです。
また、糖が尿から排出されることでインスリンの分泌が安定し、体脂肪の蓄積を抑える作用も期待できます。さらに、一部の研究では内臓脂肪が優先的に減る傾向が示されており、肥満に伴うリスク改善にも関与すると考えられています。
ただし、フォシーガはあくまで糖尿病治療薬です。体重減少は副次的な作用であり、痩身薬として処方されるものではありません。痩せる理由を理解した上で、実際に効果が得られるかどうかは食生活や運動習慣によって大きく左右されます。
フォシーガと他SGLT2阻害薬との違い
フォシーガとカナグルは、どちらも腎臓のSGLT2という輸送体を阻害し、余分な糖を尿から排出することで血糖値を下げる薬ですが、細かいところで以下のような違いがあります。
- 投与方法と腎機能への適応
フォシーガは通常1日1回の服用で、腎機能が低下している場合は使用制限があります。カナグルも同じく1日1回の服用ですが、比較的腎機能が落ちた患者にも投与可能とされています。 - 副作用の傾向
副作用の内容は共通する部分が多い一方で、頻度や傾向に違いがあります。たとえばカナグルでは尿路感染症や下肢切断リスクへの注意が報告されており、フォシーガでは尿路感染症や脱水などが中心とされています。どちらも十分な水分摂取や早期の症状把握が重要です。 - 体重減少効果
フォシーガは用量依存的に体重が減少し、平均1〜2kg前後と緩やかです。一方、カナグルは100mgで約1.8kgの減量が報告されており、同等の容量でより強い効果を示す傾向があります。さらにフォシーガは内臓脂肪の減少や脂質代謝の改善が明らかになっており、体重だけでなく代謝全体を整える点が特徴です。
最終的に、どの薬を使うかは患者の腎機能や合併症、生活習慣などによって変わります。必ず医師が総合的に判断し、最適なSGLT2阻害薬が処方されます。
フォシーガの効果はいつから?
比較的早い段階から作用があらわれます。
血糖値の低下は服用後すぐに始まり、1〜2週間程度で数値の変化を感じる人が多いです。ただし安定した効果が得られるまでには数か月かかることもあります。
体重への影響はさらに時間がかかります。臨床試験では12〜24週間の継続で平均2〜3kgの減少が確認されており、とくに内臓脂肪の減少が報告されています。ただし体重の変化には個人差が大きく、短期間で大きく痩せることを期待する薬ではありません。
また、腎機能や服用中の他の薬、生活習慣によっても効果のあらわれ方は変わります。効果を正しく判断するためには、定期的に血糖値や体重をチェックしながら、医師の指導を受けることが必要不可欠です。
フォシーガの副作用と注意点
- 低血糖
- 脱水症状
- 尿路感染症
- 頻尿
- 下痢
- 便秘
- 嘔吐
- 鼻詰まりや喉の痛みなどの上気道感染症状
フォシーガ(ダパグリフロジン)は有効性が確立された薬ですが、副作用が起こることもあります。まず比較的よくみられるのは上記のような症状です。
一方で、まれではありますが注意が必要な重い副作用も報告されています。
- 低血糖性昏睡
- 腎機能障害
- 肝機能障害
- 神経障害(末梢神経障害、感覚異常、めまいなど)
糖を尿から排出する作用によって尿路感染症や性器感染症の発症リスクも増えるため、異常を感じたら早めに受診することが大切です。
服用を始める前には、腎機能や肝機能の状態、持病の有無、服用中の薬、アレルギーの有無などを必ず医師に伝えておきましょう。副作用の早期発見と安全な継続のためには、定期的な検査や診察を受けることも重要です。
フォシーガを飲んではいけない人
- 1型糖尿病の人
- 重度の腎機能障害や透析中の人
- 重度の肝機能障害がある人
- 妊娠中・授乳中の人
- 過去にフォシーガや類似薬でアレルギーを起こした人
フォシーガは有効な薬ですが、すべての人に使えるわけではありません。安全性の観点から、上記のような方は服用できない、または注意が必要とされています。
また、高齢者や利尿薬を使用している人は脱水や低血圧のリスクが高まるため、医師の厳密な管理が必要です。
フォシーガを服用する前に気になる3つのQ&A
ここでは、フォシーガを服用する前に気になる疑問にお答えします。
Q1.フォシーガの飲み方は?
フォシーガは1日1回、経口で服用します。
通常は朝食前後など決まった時間に飲むのが基本です。飲み忘れた場合は気づいた時点で服用できますが、次の服用時間が近い場合は1回分を飛ばします。2回分をまとめて飲むことは避けましょう。
Q2.フォシーガは他のダイエット薬と併用できる?
市販のサプリや海外の痩身薬との併用は安全性が確認されておらず、脱水や低血糖のリスクを高める可能性があるため、自己判断での併用は避けてください。
糖尿病治療薬との併用については、医師の判断により使われる場合があります。たとえばメトホルミンとの併用は臨床研究で報告されていますが、クリニックによっては推奨されていません。
一方で、GLP-1受容体作動薬(リベルサスやオゼンピックなど)はフォシーガと組み合わせて処方されるケースはあります。ただし、低血糖症状が出る可能性もあるため、必ず医師の管理下で行うことが重要です。
Q3.フォシーガは保険適用で処方してもらえる?
フォシーガは2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病の治療薬として保険が適用されます。
ただし「ダイエット目的」での処方には保険は使えません。
肥満治療だけを目的に受診しても処方されることはないため、あくまで持病の治療の一環として使用される薬です。
まとめ
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、糖を尿から排出することで血糖値を下げるSGLT2阻害薬です。治療の一環として体重が減ることもありますが、あくまで糖尿病や心不全、腎臓病に対する薬であり、痩身薬ではありません。
体重への効果は個人差が大きく、副作用にも注意が必要です。減量を目的とする場合は、生活習慣の改善や医師のサポートと組み合わせて行いましょう。自己判断での服用は危険なため、興味がある方は必ず専門の医療機関で相談してください。
※当院では取扱のない薬剤となります。類似のものやその他多数のダイエット薬を取り扱っておりますのでぜひHPをご覧ください。
ファイヤークリニック
PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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