【キャビテーション】脂肪細胞を破壊する危険な効果の真相を医師が解説

キャビテーション

キャビテーションって本当に痩せる?
・エステでも受けられるのに効果はあるの?
・でもリバウンドするって聞いて心配
・どうすれば効果的にキャビテーションを受けられるのかなあ?

このような悩みを解決する記事を用意しました!

記事の中では「キャビテーション」に関する以下のような内容を解説します。

キャビテーションとは
キャビテーションの効果
キャビテーション前後の変化
キャビテーションでリバウンドする理由
キャビテーション後にリバウンドしない方法

結論、キャビテーションは脂肪を破壊する施術ではなく、痩せる効果は一時的なものに過ぎません。

とはいえ、キャビテーションのリバウンドを抑える方法も記事の後半で紹介します。

この記事を最後まで読むと、「キャビテーションの原理」「キャビテーションの効果」について十分に理解し、どんな施術を受けるかを自分で決められるようになります!

youtubeでも解説しておりますのでぜひご覧ください!


キャビテーションとは【どんな原理で脂肪を減らす?】

まずキャビテーションの本来の意味とは、液体に急激な圧力の差を与えることで、液体が気体に変わり、小さな気泡ができたり消えたりする現象のことを言います。

別名空洞現象と言います。

その気泡が破裂する際に衝撃波が生じて周りの物体を破壊します。

船のスクリューなどでも同じようなことが生じて、鉄をも侵食するパワーがあります。

その原理を利用して脂肪細胞を破壊していると説明されていることが多いです。

キャビテーションの効果【体重減少の効果はない?】

キャビテーションは科学的にどれくらいの効果があるのでしょうか。

食事のみのダイエットとキャビテーションと食事ダイエットを組み合わせたダイエットを20人ずつのグループにそれぞれ8週間行なった研究を紹介します。

キャビテーションは8週間のうち2週間に1回、計4回行われました。

それぞれ研究の前後での体重、ウエスト、皮下脂肪の厚みを計測された結果が以下の通りです。

引用:Ultrasound cavitation versus cryolipolysis for non-invasive body contouring
引用文献より数値を抜粋して作成 単位は全てcm 開始前、開始後の値は全て中央値

キャビテーションを行なったグループでは食事ダイエットのみと比べて、ウエストや皮下脂肪の厚みが明らかに減少しました(ウエスト-7.3cm皮下脂肪の厚み-5.85cm)。体重に有意な差は見られませんでした。

派手な結果に見えますが、開始前の体重が大きいのでその影響だと思われます。

食事ダイエットと併用した結果ではありますが、キャビテーションの効果は科学的にも証明されているようですね。

キャビテーション後に起こる脂肪細胞の縮小【脂肪滴が排出される】

実際にキャビテーションを行うと体の中ではどのような変化があるのでしょうか。

イタリアのフィレンツェ大学で行われた研究で、手術で切除された人の皮膚組織にキャビテーションを行い顕微鏡で変化を観察したという研究が行われました。

キャビテーションを行ったものと行っていないものを比較したところ、まず明らかになったのが脂肪細胞の縮小です。キャビテーションを行った皮下組織では脂肪細胞が小さくなっていました。

左がキャビテーションを行う前、右がキャビテーションを行なった後
下のグラフは細胞の大きさの変化を表している
引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue

脂肪細胞の構造

ここで脂肪細胞の構造をご説明します。脂肪細胞は以下のような構造をしています。

脂肪細胞は簡単に言いますと、脂肪を蓄えた袋のような構造をしています。

ふくろの中身の部分が脂肪滴でふくろ本体の部分は脂肪細胞の細胞質と呼ばれるところです。

キャビテーション後の変化①【細胞膜の脆弱化・写真あり】

以下の図はキャビテーションの後に、脂肪細胞の細胞膜にどのような変化が起きているかを観察したものです。

引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue

黒い帯状のもの(Cy)が脂肪細胞の細胞質なのですが、黒い三角で示したところに細かな小胞が集まっている変化を認めます。

ここは細胞膜が弱くなっているところです。

キャビテーション後の変化②【脂肪滴の排出・写真あり】

下の図はその細胞膜が弱くなった部位から脂肪滴が放出されているところです。


引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue

これにより、中の脂肪滴が放出されることで初めにお見せしたような脂肪細胞の縮小が起きます。

キャビテーション後に起こるリバウンド【脂肪細胞は破壊されていない】

脂肪細胞がキャビテーションによって傷つき、中の脂肪滴が外に放出されていることは分かりました。

FIRE院長
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実はコレ、脂肪を破壊したわけではないんです。

脂肪細胞が完全に死なない限り、脂肪細胞は再度脂肪を蓄えてリバウンドしてしまいます。

こちらはキャビテーション前後の脂肪細胞を観察した写真です。

左がキャビテーションを行う前、右がキャビテーションを行なった後
引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue

矢印が死んだ細胞の核を示しています。

体内では細胞の新陳代謝が行われ、細胞が常に入れ替わっており、キャビテーションの有無にかかわらず、古くなった脂肪細胞は死んでしまいます。

死んだ細胞の数を確認したところ、キャビテーションの前後で明らかな数の差は認められませんでした。

つまり、「キャビテーションによって脂肪細胞が破壊されるわけではない」ということを示しています。

脂肪細胞が死なない限り、再び脂肪を蓄えて大きくなり元に戻ってしまいまうため、リバウンドが起こります。

脂肪細胞から排出された脂肪が元に戻る理由【リバウンドはなぜ起こる】

脂肪は脂肪細胞の中ではトリグリセリドという形で貯蔵されています。

トリグリセリドは脂肪酸とグリセロールに分解され、それぞれ解糖系(エネルギーを生み出す回路)に組み込まれてエネルギーとして消費されます。

一方、エネルギーとして代謝されなかったものは、再び脂肪細胞に戻って蓄えられます

このメカニズムは、人間が安定して食料を確保することが難しかった時代になるべくエネルギーを貯め込むことができるように備わった性質なんです。

キャビテーション後にリバウンドしないための方法

じゃあ、どうしたらいいの?

リバウンドをさせない方法として、以下の3点があります。

  • 摂取カロリーを減らす
  • 消費カロリーを増やす
  • 脂肪細胞自体を破壊する

食事により摂るカロリーを減らし、運動で消費するカロリーを増やす、というのは一般的なダイエットと同じです。

一方、「脂肪細胞を破壊する方法」として、いつくか有効な医療痩身メニューがあります。

具体的には、脂肪溶解注射脂肪冷却医療用EMSボディHIFUなどがあり、脂肪の付き方や痩せ方の要望により適応は異なります。

FIRE院長
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Q1:キャビテーション後のマッサージにはどんな効果がありますか?

結論、キャビテーション後のマッサージにより、一時的に痩せ効果を感じられるでしょう。

このときのマッサージには、キャビテーションにより放出された脂肪をリンパ管に運ぶというはたらきがあります。

脂肪をリンパ管から排出することで、“一時的に”その部位の脂肪の量が減るため、部分痩せ効果を得られます。

結婚式など、大切な日の前日に行う「ブライダルエステ」などで使うと効果を発揮しそうです。

Q2:キャビテーション後にいつも通りの食事をしても大丈夫ですか?

キャビテーション直後は脂肪細胞から脂肪が排出された状態なので一時的に細胞が飢餓状態に至っています。

そのためキャビテーションの直後は細胞の吸収率が亢進していると言われているので施術直後2-3時間は過度な飲食は控えたほうが良いでしょう。

またキャビテーション後は一時的な炎症が起きていたり、脂質の代謝による肝臓への負担がかかっているためジャンクフードや飲酒など肝臓に負担のかかる食事は控えて、タンパク質の多い食事を心がけましょう。水分も十分に取ることが大切です。

まとめ

記事で解説した内容は以下の通りです。

キャビテーションとは
キャビテーションの効果
キャビテーション前後の変化
キャビテーションでリバウンドする理由
キャビテーション後にリバウンドしない方法

キャビテーションは「ウエストを減少させる効果」は認められていますが、その効果は一時的なもののとなります。

施術後にリバウンドさせず、ダイエット効果を持続させるにはきちんとしたカロリー管理が必要です。

継続してカロリー管理をするのが難しいという場合は、脂肪細胞を破壊する根本的な施術、もしくはお薬の力を借りる医療ダイエットが効果的です。

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キャビテーションの原理や効果、リバウンドする理由について解説。脂肪細胞を破壊するわけではないので施術後にカロリー管理が必要。2023-05-03更新

ファイヤークリニック

PROFILE

江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。