エステでよく聞くキャビテーションとは?効果や原理を医師がわかりやすく解説!
Contents
キャビテーションとは?
キャビテーションの原理
では実際に、キャビテーションを行うと体の中ではどのような変化があるのでしょうか。 イタリアのフィレンツェ大学で行われた研究で、手術で切除された人の皮膚組織にキャビテーションを行い顕微鏡で変化を観察したという研究が行われました。 キャビテーションを行ったものと行っていないものを比較したところ、まず明らかになったのが脂肪細胞の縮小です。キャビテーションを行った皮下組織では脂肪細胞が小さくなっていました。左がキャビテーションを行う前、右がキャビテーションを行なった後 下のグラフは細胞の大きさの変化を表している 引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue以下の図はキャビテーションの後に、脂肪細胞の細胞膜にどのような変化が起きているかを観察したものです。
引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue黒い帯状のもの(Cy)が脂肪細胞の細胞質なのですが、黒い三角で示したところに細かな小胞が集まっている変化を認めます。 ここは細胞膜が弱くなっているところです。 下の図はその細胞膜が弱くなった部位から脂肪滴が放出されているところです。
引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue
ラジオ波やハイパーナイフとの違い
キャビテーション | ラジオ波 | ハイパーナイフ | |
---|---|---|---|
アプローチ方法 | 超音波で脂肪細胞膜に 微細な振動を与える | 高周波で脂肪層や 筋肉を温める | 高周波+マッサージ による温熱&刺激 |
アプローチ層 | 脂肪細胞 | 皮膚深部〜脂肪層 | 皮膚深部〜脂肪層 筋膜 |
得意な悩み | 固くなった脂肪/セルライト | 血流・リンパの滞り/冷え性/むくみ | むくみ+脂肪太り/筋肉疲労/肩こり・腰痛 |
効果の即効性 | 1回で見た目の変化を感じる人も | 継続によって体質改善 見た目の変化も少しずつ出る | 即効性が高くイベント前にも◎ |
おすすめの部位 | お腹・太もも・二の腕など脂肪が多い部位 | 下半身・ふくらはぎ・顔など冷えやすい部位 | 顔・お腹・太ももなど広範囲に対応しやすい |
メリット |
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デメリット |
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向いている人 |
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キャビテーションに期待できる効果
キャビテーションには、特定部位の脂肪を一時的に減らす「部分痩せ効果」が期待できます。 実際に、キャビテーションと食事制限を併用した研究では、ウエストが7.3cm、皮下脂肪の厚みが5.85cm減少したという結果が報告されています(8週間のうち4回施術)。ただし、体重に有意な差は見られませんでした。 派手な結果に見えますが、開始前の体重が大きいのでその影響だと思われます。 食事ダイエットと併用した結果ではありますが、キャビテーションの効果は科学的にも証明されているようですね。引用文献より数値を抜粋して作成 単位は全てcm 開始前、開始後の値は全て中央値 引用:Ultrasound cavitation versus cryolipolysis for non-invasive body contouring
キャビテーションはリバウンドする?
脂肪細胞がキャビテーションによって傷つき、中の脂肪滴が外に放出されていることは分かりました。
FIRE院長
実はコレ、脂肪を破壊したわけではないんです。
左がキャビテーションを行う前、右がキャビテーションを行なった後 引用:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue矢印が死んだ細胞の核を示しています。 体内では細胞の新陳代謝が行われ、細胞が常に入れ替わっており、キャビテーションの有無にかかわらず、古くなった脂肪細胞は死んでしまいます。 死んだ細胞の数を確認したところ、キャビテーションの前後で明らかな数の差は認められませんでした。 つまり、「キャビテーションによって脂肪細胞が破壊されるわけではない」ということを示しています。脂肪細胞が死なない限り、再び脂肪を蓄えて大きくなり元に戻ってしまいまうため、リバウンドが起こります。 そもそも脂肪は、脂肪細胞の中ではトリグリセリドという形で貯蔵されています。 トリグリセリドは脂肪酸とグリセロールに分解され、それぞれ解糖系(エネルギーを生み出す回路)に組み込まれてエネルギーとして消費されます。 一方、エネルギーとして代謝されなかったものは、再び脂肪細胞に戻って蓄えられます。 このメカニズムは、人間が安定して食料を確保することが難しかった時代になるべくエネルギーを貯め込むことができるように備わった性質なんです。
キャビテーションの効果を高める方法
3つの方法
キャビテーションは一時的に脂肪が排出されやすい状態をつくる施術です。適切なアフターケアを行うことで、痩身効果をより高めることができます。
1:術後のマッサージ
超音波でゆるんだ脂肪は、リンパの流れに乗って排出されます。マッサージで流れをサポートすることで、むくみの改善やサイズダウンにつながりやすくなります。 逆に、放っておくと流れきれなかった脂肪が体内に再吸収されてしまうこともあるため、施術後は流す意識が重要です。 参考文献:Early and Long-Term Effects of Abdominal Fat Reduction Using Ultrasound and Radiofrequency Treatments2:生活習慣の改善
施術直後は、脂肪細胞が一時的に吸収力の高い状態になります。このときに高カロリーな食事をとると、脂肪が元に戻るリスクが高まります。 糖質・脂質を控えめにして、タンパク質やビタミンをしっかり摂ることで代謝もサポートできます。 とくに施術当日の食事は、普段以上に慎重に選ぶのがおすすめです。 参考文献:Early and Long-Term Effects of Abdominal Fat Reduction Using Ultrasound and Radiofrequency Treatments3:水分をしっかり摂る
キャビテーション後は、老廃物や脂質の代謝産物が体内に増えるため、水分をしっかり摂ることで排出がスムーズになります。 意識して水を飲むだけでも、体の巡りがよくなり、すっきり感や軽さを感じやすくなるはずです。キャビテーションが向いている人は?
キャビテーションが向いている人
- 部分的にすっきりさせたい脂肪がある
- 運動しても落ちにくいセルライトが気になっている
- できるだけ痛みやダウンタイムの少ない方法でケアしたい
- イベント前にスッキリ見せたい
- 食事や運動も意識していて、痩せやすい状態を作れている
キャビテーションに関するQ&A
Q&A
キャビテーションを受ける前に気になる疑問をまとめました。
1:キャビテーション後の過ごし方は?
施術直後2〜3時間は、脂肪細胞が一時的に吸収しやすくなっているため、糖質や脂質の多い食事・アルコールの摂取は控えましょう。 その代わり、水分をしっかり摂り、タンパク質やビタミンを中心にした食事を意識すると代謝がスムーズに進みます。 また、軽い運動や入浴で血流を促すのもおすすめです。2:キャビテーションの効果はいつから?
施術後すぐにスッキリ感を感じる人もいますが、見た目の変化は2〜3回目以降から現れやすいとされています。とくにウエストや太ももなど脂肪の厚い部位やむくみがちな部位では、1回でも「なんとなく引き締まった」と感じる人もいます。 ただし、脂肪細胞の数は変わらないため、継続して受ける or アフターケアをしっかり行うことが重要です。3:キャビテーションはセルライトに効く?
キャビテーションはセルライトのケアにも効果がある施術です。 セルライトは老廃物や水分が絡まり合ってできた「固まった脂肪」で、通常の運動や食事制限では落としにくいのが特徴です。 キャビテーションの超音波がセルライトに刺激を与え、脂肪を柔らかくして流しやすい状態に整えてくれます。 参考文献:Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue Tiziana S. Lotti, Francesca Campolmi, Silvia Rossi, et al. Journal of Cosmetic and Laser Therapy, 2013.4:キャビテーションを受ける頻度は?
週1回のペースが理想的です。体内の老廃物や脂肪滴が排出されるまでに数日かかるため、あまり短期間で詰め込むより、適度な間隔で継続したほうが効果が出やすくなります。 また、2〜3ヶ月続けることで、むくみや冷えなど体質面の変化も感じやすくなるでしょう。5:キャビテーションは連続で受けても良い?
連日施術することはおすすめできませんし、毎日受ける必要もありません。 体が排出を終える前に次の刺激を与えると、逆に老廃物が滞りやすくなることもあります。 目安としては週1回、多くても週2回程度にとどめ、間の日は水分補給や軽い運動で“流す”意識を持つのが効果的です。まとめ|リバウンドを避けるなら脂肪細胞自体を破壊する施術がおすすめ

ファイヤークリニック
PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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