冬は太りやすい?実は痩せやすい理由と冬ダイエット成功のコツを現役痩身医師が解説!

溜め込みやすく、太りやすい季節のイメージがある「冬」

実際に当院のダイエット相談でも、冬になるとなぜか5kgほど体重が増えるとの声をよく聞きます。たしかに、冬は運動しても汗をかきにくいし、夏に比べ体重が落ちにくいと感じることもありますよね。

しかし実は、寒い時期の方が体の代謝が上がりやすく、冬こそダイエットに向いている季節なんです。

この記事では、冬が太りやすいと言われる理由と、逆に痩せやすくなる仕組み、さらに食事・運動・代謝アップのコツまで、冬ダイエットのポイントをまとめてご紹介します。

YouTubeでも解説していますので、音声の方が頭に入って来やすい方は、ぜひ動画をチェックしてみてください。

冬はなぜ太りやすいと言われるのか?

夏のイベントに合わせて、冬の今からダイエットを始めておきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし残念ながら、一般的に冬は太りやすいと言われています。

その理由として考えられるのが、以下の3つです。

  • 厚着するのでボディラインの変化がわかりにくいので、モチベーションが維持しにくい
  • クリスマス、忘年会、正月、新年会と、外食、会食の機会が多い
  • 日照時間も短く寒いため、外出の機会が減り、活動量が減る

とはいえ、これはあくまでも生活環境によるもの。体の仕組みそのもので見ると、冬はむしろ痩せやすい季節でもあります。

実は冬こそダイエットに向いている理由

冬は寒さによって体の代謝が上がりやすく、脂肪を燃やしやすい状態になります。このとき活躍するのが「褐色脂肪細胞」と呼ばれる脂肪組織です。

褐色脂肪細胞は、寒い環境でスイッチが入り、体温を保つために脂肪を燃やす働きを持ちます。

そしてこの褐色脂肪細胞、痩身医療の分野から非常に注目されているんです。

寒冷刺激が長期間にわたって続くと、この褐色脂肪細胞が活性化し、なんと全身のエネルギー消費量が大幅に増えることが判明しています。

斉藤昌之. (2020). 褐色脂肪組織による熱産生と体温・体脂肪調節—ヒトでの知見を中心に—. 心身医学60(3), 210-216.

加えて、

褐色脂肪活性が高くなると200~400kcal/dayものエネルギーを多く消費し、

BMIは低く、体脂肪量、内臓脂肪量は少なくなることが報告されています

Kajimura, S., & Saito, M. (2014). A new era in brown adipose tissue biology: molecular control of brown fat development and energy homeostasis. Annual review of physiology76, 225.

そんなダイエットのチートとも言える褐色脂肪細胞、残念ながら加齢に伴ってその活性は急激に低下してしまうと言われています。中年太りの原因はここにあったのですね。

その一方、こんな研究結果もあります。

褐色脂肪細胞が低活性な群では加齢に伴い BMI、内臓脂肪などが増加するのに対し、高活性者群ではあまり変化せず、40歳代でも 20歳代のスリムな体型を維持してたのです。

Yoneshiro, T., Aita, S., Matsushita, M., Okamatsu‐Ogura, Y., Kameya, T., Kawai, Y., … & Saito, M. (2011). Age‐related decrease in cold‐activated brown adipose tissue and accumulation of body fat in healthy humans. Obesity19(9), 1755-1760.

つまり、褐色脂肪細胞を活性化することがダイエットの肝といえるでしょう。

褐色脂肪細胞の活性化のためにも、この冬、積極的に寒冷刺激を取り入れましょう!

具体的には1日2時間程度の寒冷刺激を6週間与え続けると、褐色脂肪細胞が活性化され、エネルギー消費が増え、体脂肪が低下したと報告されています。

Yoneshiro, T., Aita, S., Matsushita, M., Kayahara, T., Kameya, T., Kawai, Y., … & Saito, M. (2013). Recruited brown adipose tissue as an antiobesity agent in humans. The Journal of clinical investigation123(8), 3404-3408.

冬のダイエットを成功させる食事のポイント

のダイエットを成功させる食事のポイント

寒冷刺激で褐色脂肪細胞は活性化するとお伝えしましたが、体の芯まで冷えてしまうと逆に代謝が落ち、せっかくの効果が活かせません。

そのため、冬のダイエットは、外では寒さを味方につけつつも、体の中は冷やさないことが成功の秘訣です。

そこで意識したいのが、体の内側から温める食事。なかでも汁物や鍋料理根菜類やショウガなどの体を温める食材は、血流を促し深部体温を保つのに役立ちます。

内臓の働きが活発になれば、寒冷刺激による代謝アップも後押しされ、より効率的にエネルギーが消費されます。

外で代謝スイッチを入れて、中でその火を絶やさない』。この組み合わせが、寒い季節を痩せやすい時期に変える最大のポイントです。

冬のダイエットにおすすめの運動習慣

冬のダイエットにおすすめの運動習慣

冬は、外でのウォーキングやジョギングなどの寒さに体をさらす運動が効果的です。体の外側から寒さの刺激を与えることで、褐色脂肪細胞を活性化し、脂肪燃焼を加速させます。

ただし、体が冷え切った状態で始めるとケガのリスクや代謝低下を招きかねないため、まずは室内で軽く体を温めてから外に出るのが安全です。

例えば、ストレッチやスクワットで血流を促し、体が温まったタイミングで20〜30分ほど早歩きやジョギングに出かけるイメージ。雨の日はヨガやピラティス、HIITなど室内で代謝を高められる運動に切り替えるのもおすすめです。

寒い季節だからこそできる「寒さ×運動」の相乗効果を活かせば、同じ時間でも効率よくエネルギーを消費できます。

冬に代謝を上げるコツ

冬に代謝を上げるコツ

冬に代謝を上げるコツは、「体の外側を冷やしつつ、内部はしっかり温める」です。

まずは外気による寒冷刺激で褐色脂肪細胞を活性化させ、エネルギー消費を促すのがポイント。褐色脂肪細胞は鎖骨の上や肩甲骨まわり、背骨沿いに多く存在しているとされているため、これらの部位を冷やすとより効果的です。

それと同時に、味噌汁や鍋物、根菜・ショウガなどの体を温める食材で深部体温を保つことで、代謝低下を防げます。

また、朝の軽い運動や入浴で血流を促すのもおすすめです。寒さでスイッチが入った代謝をそのまま一日中キープできます。

【冬ダイエットの口コミ】SNSのリアルな声

SNSでは「冬は脂肪が燃えやすいから始めどき」との声もあれば、「実際は冬のほうが太る」との意見も目立ちます。

寒さを活かして運動や食事制限を始める人もいる一方で、年末年始や寒さによる活動量低下で体重が増えるというリアルな体験談も。食欲や生活リズムに左右されやすい季節だからこそ、小さな工夫や続けやすい習慣がダイエット成功のカギになりそうですね。

冬にダイエットを続けるコツ

冬にダイエットを続けるコツは、無理なく続けられる環境づくり」を優先することです。

寒さや日照時間の短さから活動量が減りやすい季節ですが、家の中でできる運動や温かい低カロリー食を取り入れることで、ストレスなく継続できます。

例えば、外出が億劫な日はヨガやストレッチを室内で行い、食事は鍋やスープで満足感と温かさを両立させるなど、季節に合った工夫を取り入れるのがおすすめです。

また、厚着でボディラインの変化が見えにくい冬は、全身鏡で意識的に体の変化をチェックするの重要なポイント。毎朝着替えの前に鏡を見るなど、習慣として組み込みやすい形にすると続けやすくなります。

「完璧にやる」よりも、「やめないこと」を優先すると、冬もリズムを崩さずダイエットを続けられます。

まとめ

褐色脂肪細胞は鎖骨上窩部や傍脊椎部に多く存在していると報告されているので、鎖骨、肩甲骨まわりを冷却するのがいいでしょう。冬の有酸素運動後に是非意識して冷却し、褐色脂肪細胞を活性化させましょう!

もちろん、身体を冷やすことにはなってしまうので、寒冷刺激後の体調管理にはお気をつけてくださいね。

以上、冬のダイエットについて、褐色脂肪細胞の観点から、現役痩身専門医が解説いたしました。

ぜひ皆様のダイエットにもお役立てください!

また当院ではさまざまな医療ダイエットも行っておりますので、気になる方はぜひお問い合わせもお待ちしております!

ファイヤークリニック

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員

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