FIRE CLINIC(ファイヤークリニック)

コレステロールを下げてダイエットもできる薬コレバインについて作用機序やダイエット効果、副作用などを医師が解説!

こんにちは、FIRE院長です!

新年度が始まり健康診断を受けられた方も多いと思います。

コレステロールが高いですね

と指摘された方が多いのではないでしょうか?

今回はコレステロールを下げてダイエットもできる薬、コレバインについて解説していきます!

コレバインとは

一般名はコレスチミドで、コレステロールを下げることができる薬剤です。

1979年に日本で生まれました。

コレステロールは胆汁酸の材料となります。

胆汁酸を吸着することで胆汁酸の再吸収を阻害することで胆汁酸の腸からの供給を減らし、コレステロールから胆汁酸の産生を促進します。それによって血中のコレステロールの消費を亢進させて血中のコレステロールを下げます。

また、腸管からのコレステロールの吸収も抑えます

そもそもコレステロールとは

コレステロールとは体の中の脂質の一種で、脂質には他に中性脂肪、リン脂質、脂肪酸などがあります。中でもコレステロールは細胞膜やホルモン(副腎皮質ステロイドや男性ホルモン、女性ホルモンなどのステロイドホルモンと呼ばれるもの)、胆汁酸の材料となるためなくてはならない物なのです。

しかし、コレステロールは悪いイメージを持たれがちですよね。

コレステロールが高いと何が悪いのかをご説明します。

採血でよく確認されるコレステロールの種類として、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)HDLコレステロール(善玉コレステロール)の2種類があります。この2種類の中で高いと問題になるのはLDLコレステロールの方です。

コレステロールは脂質なので直接血液に溶けることができません。そのため「リポタンパク質」という物質に包まれたカプセルとして血中を移動します。このリポタンパク質の密度の違いによってLDLやHDLという名前がつけられています。

LDLコレステロールはコレステロールを体内に溜め込む役、HDLコレステロールは体内からコレステロールを回収する役を担っています。

体内のコレステロールの量は、LDLによる供給とHDLによる回収のバランスで成り立っています。しかし、食事や体質などによって、LDLコレステロールが増えすぎたり、余分なコレステロールを回収するHDLコレステロールが少なすぎたりすると、コレステロールのバランスが崩れ、血管内にコレステロールが蓄積して、動脈硬化や血管の内側を狭める(プラーク形成)原因となります。

LDLコレステロールが「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールが「善玉コレステロール」と呼ばれるのは、こうした働きによるものです。

胆汁酸とコレステロールの関係

コレバインは胆汁酸の再吸収を阻害する薬です。それによってどのようにしてコレステロールが減少するかをご説明します。

先ほども申し上げましたが、胆汁酸はコレステロールを材料にして肝臓で生成されます。その後胆嚢に運ばれて蓄えられ、食事をすると胆管を通って消化管に排出されます。

消化管に排出された胆汁酸は食事由来のコレステロールの吸収を助けます。その後、消化管に排出された胆汁酸のほとんど(95%ほど)が消化管で再吸収され肝臓に戻ります。この一連のサイクルを胆汁酸の腸肝循環と呼びます。

コレバインは胆汁酸の再吸収を阻害します。胆汁酸の再吸収が阻害されることで体は胆汁酸が不足していると判断します。それによって、胆汁酸の生成が亢進し、コレステロールの消費が増えます

またコレバインは胆汁酸の食事由来のコレステロールの吸収を助ける働きも阻害するためコレステロールの吸収も減少します。

コレバインのダイエット効果

コレバインのダイエットに関する論文をご紹介します。

心血管リスクのあるメタボリックシンドロームの患者61人を対象とした研究で、コレスチミドを内服しながら生活習慣の改善を行った群と生活習慣の改善のみを行った患者群で体重の減少を比較した結果、5%の体重減少を認めた方の割合がコレスチミドを内服を行った群で優位に多い結果となりました(71.4% vs. 33.3%; p < 0.01)。またウエストに関してもコレスチミドを内服した群の方が優位に減少していました (10.1±5.4 vs. 7.1±5.2 cm, p < 0.05)。

Yamaoka-Tojo, M., Tojo, T., Kosugi, R., Aoyama, N., Niwano, S., Kurokawa, S., & Izumi, T. (2008). Effect of colestimide on reduction of body weight and waist circumference in metabolic syndrome patients with cardiovascular risk factors. Vascular Disease Prevention5(3), 183-189.

ただ単にダイエットするのではなく、コレバインを内服することでダイエットがスムーズにいくようですね。

また代謝を上げてくれる効果も報告されています。

コレスチミドを投与されたマウスでは、胆汁酸の産生が亢進することにより、褐色細胞内で甲状腺ホルモンであるT4をT3に変換する(変換されることで代謝を上げる働きが増す)酵素であるD2、ミトコンドリアの生合成を促進するPGC-1α、ミトコンドリア内で、蓄えられた脂肪を原料として熱を発⽣させるUCP-1というタンパク質の発現を促進します。

Watanabe, M., Morimoto, K., Houten, S. M., Kaneko-Iwasaki, N., Sugizaki, T., Horai, Y., … & Auwerx, J. (2012). Bile acid binding resin improves metabolic control through the induction of energy expenditure.

つまりコレバインを内服すると褐色脂肪細胞が活性化されて代謝が上がるということです。

コレステロールを下げるだけではないのですね!

コレバインの副作用

コレバインの最も頻度の高い副作用は便秘です。

胆汁酸はコレステロールの吸収を促す役割の他に腸管に水を引き込み便を柔らかくする働きもあるのですが、コレバインは胆汁酸を吸着することでその働きを弱めます。それによって便が固くなり便秘を引き起こします。

その作用を逆に応用して、下痢で困っている方が下痢止めとして使用することもあります

こちらの方は消化器疾患による下痢がコレバインによって落ち着いたようですね。

当院でもメトホルミンの副作用で下痢になってしまった方に対して処方することがあります

そのほかの重大な副作用はあまりなく、比較的安全に使用できる点も大きなメリットです。

どんな人におすすめ?飲んではいけない人は?

以上を踏まえて、コレバインがおすすめな方とはどんな方かというと、

  • LDLコレステロールが高いと診断された方
  • 下痢、軟便傾向の方

これらに当てはまる方はコレバインが非常におすすめです。

逆に飲むことができない方は、

  • 既にひどい便秘の方
  • 胆道の閉塞のある方
  • 消化管の閉塞や狭窄のある方

などが挙げられます。痔や消化管潰瘍のある方も症状の悪化する恐れがあるため避けた方が良いです。

飲み方

コレバインは1日2回食事の30分前に飲むとより効果があります。

胆汁酸は食事をすることによって胆嚢から排出されるため、食事に合わせて飲むことで効果を発揮します。

便秘の副作用が辛い方は1回に減らして使用したり1日おきに使用しても良いです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はLDLコレステロールを下げてダイエットもできる薬コレバインについて解説しました。

コレバイン単体ではダイエット効果は少ないと思いますが、他のダイエット薬や生活習慣の改善と共に使用すると大きなメリットのある薬です。

当院でも他の薬と併用することでダイエット効果を得られるのみならず、コレステロール値の改善や副作用のコントロールを目的として使用しております。

興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください!

私のYoutubeの中でも紹介しておりますのでぜひご覧ください!

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 新宿、渋谷、銀座の3院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める