16時間ダイエット(断食)は本当に痩せる?正しいやり方と注意点を痩身専門医が解説
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食事を1回抜くだけで手軽に始められる『16時間ダイエット』。
短期間で体重が落ちたという声も多い一方で、正しい方法を守らないと効果が出にくかったり、体調を崩すリスクもあります。
この記事では、医学的な研究や専門医の知見をもとに、16時間ダイエットの効果・やり方・注意点をわかりやすく解説します。
youtubeでも解説しているのでぜひご覧ください!
Contents
16時間断食ダイエットとは?

16時間ダイエットは、1日のうち16時間を「断食時間」とし、残り8時間の間に食事をとる時間制限食(time-restricted feeding)の一種です。
例えば、12時〜20時の間に食事を終えると、その後は翌日の昼まで断食時間となります。睡眠時間も含められるため、意外と続けやすいのが特徴です。
この方法では、エネルギー源として体内の糖やグリコーゲンが使われ、結果的に脂肪燃焼が高まりやすくなります。
さらに断食時間が続くと、細胞のリサイクル機能「オートファジー」が活性化し、代謝や健康に良い影響をもたらすと考えられています。
16時間断食で痩せる理由

16時間の空腹時間をつくると、体のエネルギー利用の仕組みが切り替わります。最初は血糖や肝臓のグリコーゲンが消費されますが、それが枯渇すると脂肪が分解され、主要なエネルギー源となります。この「糖→脂肪」へのスイッチが働くことで、脂肪燃焼が進みやすくなるのです。
さらに、断食が一定時間続くと「オートファジー」が活性化し、細胞の代謝が整うことで脂肪燃焼効率そのものが高まります。オートファジーとは、細胞の中で古くなったたんぱく質や壊れかけた細胞成分を分解・再利用する仕組みのことです。この働きによって細胞がリフレッシュされ、代謝効率の改善や老化予防にもつながると考えられています。
また、食事時間が限られることで自然とカロリー摂取量も減少するのも痩せる理由のひとつです。人によっては「食べる時間が短いから間食が減った」「夜食がなくなった」といった変化で、結果的に余分なエネルギーが蓄積しにくくなります。
つまり、
- カロリー制御
- 脂肪燃焼スイッチのオン
- オートファジーによる細胞リサイクル
この3つが組み合わさることで、体重減少や健康改善につながると考えられています。
研究で報告されている16時間断食の効果
16時間ダイエットはtime-restricted feeding(時間制限のある食事法)という食事法に分類されます。この食事法は1日のうちに12時間から20時間の断食を行い、残りの時間で食事をするという食事法です。
この食事法に関する研究11件を検討したシステマティックレビューによると4週間から8週間で平均で-1.07 kg(95%CI: -1.74 ~ -0.40kg)の体重減少を認めました。
それだけではなく、空腹時血糖の減少や徐脂肪体重(≒筋肉量)の増加などのメリットが報告されています。
また、マウスで行われた研究ではカロリー制限を行わずに食事の時間制限のみ(1日のうち8時間以内で全ての食事を行う)を行ったところ、時間制限なしに比べて体重の増加を優位に抑えることができたと報告されています。

FA:時間制限、カロリー制限なし、FT:時間制限あり、カロリー制限なし
16時間ダイエットのやり方
16時間ダイエットは、食事の時間を制限するダイエット方法であり、食事内容には厳格な制限はありません。ただし、16時間の断食期間中には、食べ物や味のついた飲み物を摂取しないことが必要です。
以下で、16時間ダイエットの具体的なやり方を解説します。
基本のスケジュール
- 1日のうち「16時間断食+8時間食事」が基本
- 食事時間は自分の生活に合わせて設定できる
- 代表例:12時〜20時に食事、20時〜翌12時は断食
16時間ダイエットは、1日のうち16時間を断食、残り8時間を食事の時間とする方法です。
睡眠時間も含められるため、無理なく続けやすいのが特徴です。
たとえば、朝出勤して夕方帰宅するサラリーマンなら、朝はコーヒーだけで済ませて昼12時〜夜20時の間に食事をまとめれば、夜はもう寝るだけで空腹感に悩まされる心配もありません。
一方で、夜は早く休みたい人や朝型の人なら、朝7時〜午後3時に食事を終え、夜は水分だけで過ごすスタイルもおすすめです。
上記のように、自分のライフスタイルに合わせて「食べる時間帯」を決めることが、継続のポイントになります。
朝ごはんを抜く?夜を抜く?
- 朝食抜き
日中にしっかり食べられるので続けやすい方法です。夜は家族や同僚と食事を楽しめるため、社会生活とも両立しやすいのが強み。ただし夜にカロリーを摂りすぎると消費されにくく、減量効果が感じにくい場合があります。 - 夕食抜き
朝から昼にかけてエネルギーを取り入れるため代謝に合いやすく、夜は胃腸を休めることで睡眠の質が高まりやすいスタイルです。研究でも「早めの時間に食事を終えたほうが体重減少や血糖コントロールに有利」とされる報告があります。ただし、夜の食事の場に参加しにくいのがデメリットです。
16時間ダイエットは「朝食を抜くスタイル」と「夕食を抜くスタイル」の2通りがあります。
効果を感じやすいのは、一般的には「夕食を早めに切り上げるスタイル」です。
ただ、続けやすさを考えると「朝食を抜く方法」のほうが取り入れる人は多い傾向があります。
どちらも一長一短で正解はないため、自分の生活リズムに合うほうを選ぶのが成功の秘訣です。
断食中にOKの食べ物・飲み物
- 飲んでいい飲み物
水
無糖の緑茶・紅茶
ブラックコーヒー
炭酸水(無糖) - おすすめの食べ物
野菜(サラダ、スープなどでしっかり摂取)
果物(間食代わりに少量)
タンパク質(魚、鶏肉、豆腐、卵など)
良質な脂質(オリーブオイル、アボカド、ナッツなど)
主食は玄米やオートミールなど血糖値が上がりにくいもの
断食時間中は水や無糖のお茶、ブラックコーヒーなどカロリーゼロの飲み物に限られます。味の変化が欲しい場合は無糖の炭酸水を取り入れると、空腹感を和らげやすくておすすめです。
食事時間に入ったら、なんでもOKではなく、栄養バランスを意識しながら摂取します。16時間とは言え断食明けなので、まずは野菜やスープなど消化のやさしいものから取り入れるのがおすすめです。
そのうえで、魚や鶏肉、豆類、卵などのタンパク質をしっかり確保してあげると、筋肉量を落とさずキレイに痩せられます。
主食をとる場合は、血糖値が上がりにくい玄米やオートミールがおすすめです。さらに、オリーブオイルやナッツ、アボカドなどの良質な脂質を組み合わせると、満腹感が長く続き、このあとの16時間断食もストレスなく耐えやすくなります。
16時間ダイエットが向いている人

16時間ダイエットは、食事の時間が限られるため「ついダラダラ食べてしまう方」「間食がやめられない方」に向いています。食欲を抑えるきっかけになりやすく、夜食が減るだけでも体重や体調に良い影響が出やすいです。
また、フルタイム勤務で食事の時間をしっかり取れない人にとっては、シンプルに1日2食にできる点もメリット。血糖値や脂質のコントロールを意識したい人にも適しています。
16時間ダイエットが向いていない人

16時間ダイエットは健康な成人なら取り入れやすい方法ですが、万人向けではありません。妊娠・授乳中は十分な栄養が必要で、断食は母体や胎児への負担になります。糖尿病や低血糖の人も血糖コントロールが乱れやすく危険です。
また、部活動やハードなトレーニングを行う人、成長期の子どもや高齢者はエネルギー不足や筋肉量低下につながる可能性があります。食事制限によって過食が悪化しやすい人も注意が必要です。
16時間ダイエットのデメリット

16時間ダイエットはシンプルですが、空腹に慣れないうちは頭痛やだるさを感じることがあります。食事時間に一気に食べてしまい、かえって胃腸に負担をかけたり、体重が減らない原因になることも少なくありません。
た、女性はホルモンバランスが乱れると生理不順や体調不良につながるリスクがあります。体質や生活に合わないと逆効果になりかねないため、無理に続けず調整することが大切です。
16時間ダイエットで痩せないときの注意点
食事のバランスを整える
- 野菜・果物でビタミンや食物繊維を補う
- タンパク質をしっかり確保して筋肉量を守る
- 良質な脂質を取り入れることで満足感を高める
6時間ダイエットは食事の時間を制限する方法なので、食べる内容が偏ると効果を感じにくくなります。野菜や果物、タンパク質、健康的な脂質をバランスよく摂取するようにしましょう。
さらにオリーブオイルやナッツ、アボカドなどの良質な脂質を組み合わせると、満腹感が持続しやすくなります。
水分補給を意識する
- 断食中も水分は摂取できる
- 水・無糖茶・ブラックコーヒーが基本
- 砂糖入り飲料やジュースはNG
断食中は食事がとれないため、水分をしっかり確保することが重要です。水や無糖のお茶、ブラックコーヒーであれば断食の効果を妨げません。ジュースや砂糖入りの飲み物は血糖値を上げてしまい、効果を弱める原因になります。
食べ過ぎを防ぐ工夫
- 食事の前に水分を摂る
- 食事は野菜や汁物から始める
- よく噛んでゆっくり食べる
食事の時間になると「待っていた!」とばかりに食べ過ぎてしまう人も少なくありません。
食べ始める前にコップ1杯の水を飲む、汁物や野菜から口にするなどの工夫で、自然に食欲を抑えやすくなります。よく噛んで時間をかけて食べることも、満腹感を得るうえで役立ちます。
身体の反応をチェックする
- 頭痛・強いだるさ・めまいが出たら中止
- 少しずつ断食時間を延ばすと取り入れやすい
- 不調が続く場合は医師に相談
断食を始めてすぐは、体が慣れずに頭痛やだるさが出る場合があります。
急に16時間続けるのではなく、まずは12時間から始めて徐々に延ばすと取り入れやすくなります。強い不調が続くときは、無理せず中止して医師に相談することが安心です。
個人差を理解する
- 効果の出方には個人差がある
- 体質・生活習慣によって合う合わないが分かれる
- 医師や栄養士に相談して調整するのが安心
16時間ダイエットは多くの研究で体重減少や健康効果が報告されていますが、すべての人に同じような結果が出るわけではありません。体質や生活リズムによっては合わないこともあります。
効果を感じにくい場合や体調に不安がある場合は、医師や栄養士に相談しながら調整することが大切です。
まとめ
16時間ダイエットはきちんと行えば多数のメリットがあります。
お仕事が忙しく自然と16時間ダイエットのような生活になる方も多いと思いますが、寝る前の暴飲暴食は睡眠の質や消化吸収に悪影響があるため気をつけましょう。
PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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