きつい運動は不要!脂肪燃焼の仕組みと効率的に痩せる運動・食事法を解説
こんにちは、FIRE院長です!
ダイエットのために運動をしようとした経験のある方も多いと思います。
でも闇雲に腹筋やYouTubeにある足痩せ動画などをやってみて、きついし楽しくないのに効果は今ひとつでなかなか続かない人が多いのではないでしょうか?
今回は脂肪を燃焼させるために最も効率の良い運動の仕方を、エビデンスに基づいてご紹介いたします。
Contents
そもそも脂肪が燃焼するとは?
脂肪を燃焼させるとはすなわち、脂肪酸化のことを指します。
脂肪酸化とは体に蓄えられている脂肪を酸化させることにより生体活動に必要なエネルギーに変換することです。
つまり脂肪を燃焼させるとは、脂肪をエネルギーに変えて消費することで体脂肪を減らすことになります。
そのためこの脂肪酸化を最大化させる運動が最も効率よく脂肪を燃焼させる運動ということになります。
きつい運動は不要!脂肪燃焼効率を最大化させる3つの方法
脂肪を効率よく燃やすために大切なのは、激しいトレーニングではありません。
ポイントは、①続けられる運動を習慣化すること、②息が弾む程度の適度な強度で行うこと、③90分以上120分未満の時間で取り組むことの3つです。この条件を満たすことで、無理なく脂肪酸化を最大化できます。
運動を習慣化する
Scharhag-Rosenbergerらによると、日頃運動をしていない被験者を対象として、日々の運動習慣によって脂肪代謝が上昇するかどうかを検証した結果、最大脂肪酸化率(MFO)は、12ヶ月のトレーニングで増加しました。(トレーニング前 0.26± 0.10、トレーニング後 0.33± 0.12 g/min)
つまり、運動を1年間続けることによって脂肪代謝の最大値が1.26倍に増加するということがわかりました。
継続は力なりということですね。
また別の研究では、運動習慣のある被験者は運動していない被験者と比較して、同じ時間枠で筋肉の糖質の取り込みの減少が見られました。
これは、運動習慣のある被験者が、長時間の運動中に脂肪酸代謝を維持し、高強度の運動での糖質の使用を回避できたことを示唆しています。
運動の強度が上がると体は脂肪からエネルギーを得るのではなく糖質からエネルギーを得るようになりますが、運動習慣のある人は運動の強度を上げても脂質からエネルギーを得る能力が高いということを表しています。
赤が脂肪、青が糖質。運動強度が上がる(グラフの右にいく)につれて糖質からエネルギーを得るようになることを表している
強度はVO2maxの45~60%程度がベスト
脂肪酸代謝を最大化させる運動強度は「VO2maxの45〜65%程度の運動」であることがわかっています。
これはどれくらいのきつさの運動に相当するかというと、かなり遅めのランニングに相当します。息切れをするかしないか程度の運動で良いです。
運動強度が 65% VO2max未満の場合では、体はエネルギーを主に脂肪酸化によって得ています。運動強度が65% VO2maxを超えると脂肪酸化が低下し始め、糖質からエネルギーを得るようになっていきます。
きつい運動は脂肪よりも糖質を消費してしまうので効率が悪くなってしまいます。
VO2max(最大酸素摂取量)とは?
人が体内に取り込むことができる酸素量の最大値。ここでいう体内とは肺に吸い込んだ酸素の量ではなく、肺から血液や筋肉、内臓という意味。
運動は90分以上120分未満で行う
運動の開始においては筋肉は内因性の燃料源 (IMTG(筋肉に蓄えられているトリグリセリド)とグリコーゲン) に大きく依存していますが、運動時間が 90 分を超えると IMTG 濃度の低下が起こることが示されています。
トレーニングを受けていない被験者がで3時間の運動を行ったとき、運動の2時間目から3時間目で血清グルコース濃度が66%増加しました。
つまり90分以上で筋肉内の脂質が減少しはじめ、120分を超えるとエネルギーを糖質から得ようとするため90分以上、120分未満の運動が最も効率よく脂肪を燃やすことができると考えられます。
食事で脂肪燃焼効果は変わる?
空腹時と食後では体が使うエネルギー源が変わるため、食事のタイミングは、運動による脂肪燃焼効率に大きく影響します。
また、摂取する食材の種類によっても代謝の活性度合いが変化します。ここでは「食前か食後か」「どんな食べ物が効果的か」を解説します。
運動は食前と食後どっち?
結論から言うと、脂肪燃焼を目的とするなら食前の運動が適しています。
というのも、空腹時は体内の糖質が少なく、脂肪を優先的にエネルギー源として使いやすい状態になるためです。実際に、食前に有酸素運動を行った方が脂肪酸の酸化量が増えると報告されています。
とくに朝食前のウォーキングや軽いランニングでは、体が糖質よりも脂肪をエネルギーとして利用する割合が高くなります。一方で、食後すぐに運動すると血糖値が高いため、脂肪ではなく糖質の消費が中心になってしまうのです。
ただし、空腹時はエネルギー不足で筋肉分解のリスクもあるため、強度はあくまで軽めにすることが重要です。まとめると、脂肪燃焼を狙うなら食前の有酸素運動をおすすめします。
参考文献:Iwayama, K., et al. (2015). Time of day of exercise influences 24-h energy metabolism and fat oxidation. The Lancet Diabetes & Endocrinology, 3(11), 816–822./Liu, Y., et al. (2023). Effects of fasted versus fed-state aerobic exercise on fat oxidation: A systematic review and meta-analysis. Journal of Exercise Science & Fitness, 21(1), 27–34.
脂肪燃焼を助ける食べ物
- コーヒー・緑茶:カフェインが脂肪分解を促し、運動中の脂肪利用を増やす
- 唐辛子:カプサイシンが体温を上げて代謝を刺激する
- 魚(サバ・イワシなどの青魚):オメガ3脂肪酸が脂肪酸の利用効率を改善する
- 鶏むね肉・豆腐・プロテイン:タンパク質が筋肉を守り、基礎代謝を維持する
- ナッツ類:良質な脂質と食物繊維で血糖値の急上昇を抑え、脂肪燃焼しやすい環境を整える
脂肪燃焼を効率よく進めるには、代謝をサポートする成分を含んだ食品を取り入れるのが効果的です。
「運動前にブラックコーヒーを1杯」「普段の食事で青魚や鶏肉を選ぶ」といった工夫だけでも、脂肪燃焼効果を後押しできます。
参考文献:Collado-Mateo, D., Domínguez, R., Díaz-García, J., Adsuar, J. C., & Martínez-Guardado, I. (2020). Effect of acute caffeine intake on substrate oxidation during exercise: A systematic review and meta-analysis. Nutrients, 12(12), 3603./Konstantinidi, M., & Kokkinis, A. (2019). The health effects of nut consumption with special reference to body weight control: A review. Nutrition Research Reviews, 32(2), 191–200./Kumar, R., et al. (2019). Functional foods and their role in weight management: A comprehensive review. Bulletin of the National Research Centre, 43(1), 91.
運動直前の糖質摂取はNG
筋トレを行うときはエネルギー不足を避けるために、運動直前に糖分を摂取することが推奨されているかもしれません。
ただし、脂肪燃焼効率を最大化させるには直前の糖質摂取は控えた方が良いです。
運動開始前に炭水化物を摂取した場合、最大脂肪酸化率は 0.46±0.06 から 0.33±0.06 g/minと脂肪の酸化の最大速度が28%減少しました。
しかしエネルギー摂取せずに運動を行うと筋肉も破壊されてしまうため、それを防ぐために運動前にBCAA(分岐鎖アミノ酸)を摂取することをおすすめします。
脂肪燃焼が行われているサインは?
- ウエストやお腹まわりが少しずつ細くなる
体重が大きく変わらなくても、ベルト穴が1つ分ゆるむ、ズボンのウエストに余裕が出るといった変化は腹部脂肪が減ってきている証拠です。 - 脂肪がやわらかくなる
太ももやお腹をつまんだとき、硬かった脂肪が少しずつやわらかくなるのもサインです。 - 手首や足首まわりがスッキリする
末端の皮下脂肪は比較的早く変化が出やすい部位です。ブレスレットや靴下の跡が残りにくくなる、骨のラインが少し見えやすくなるなどは、脂肪燃焼が進んでいる証拠といえます。 - 同じ運動が楽に感じるようになる
以前は息が上がっていたウォーキングや軽いランニングが、会話しながら続けられるようになるのもサインです。
脂肪燃焼は数値や検査だけでなく、日常生活の中で少しずつ感じられる変化として現れます。
なかでも上記のようなサインが見えてきたら、体がエネルギー源として脂肪を使い始めていると考えて良いでしょう。
参考文献:Romijn, J. A., et al. (1993). Regulation of endogenous fat and carbohydrate metabolism in relation to exercise intensity and duration. Am J Physiol Endocrinol Metab, 265(3), E380–E391./Achten, J., & Jeukendrup, A. E. (2004). Optimizing fat oxidation through exercise and diet. Nutrition, 20(7–8), 716–727./Brooks, G. A., & Mercier, J. (1994). Balance of carbohydrate and lipid utilization during exercise: the “crossover” concept. J Appl Physiol, 76(6), 2253–2261.
まとめ
- 継続できる強度で
- 運動前に糖質を摂取せずに
- 筋トレと早歩き、もしくは遅めのランニングを
- 90~120分行う
脂肪燃焼のために、もっとも効率の良い運動方法は上記の通りです。
わたしたちファイヤークリニックは、ダイエットに関するさまざまなアドバイスを行っております。
ダイエットや痩身施術について悩みがあれば気軽にご相談ください!
ファイヤークリニック
PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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