リベルサスの3つのダイエット効果【体重減少/腹囲/カロリー】なぜ痩せる?

みなさんは、「リベルサス」というお薬をご存知でしょうか?

リベルサスはGLP-1受容体作動薬の一種でダイエットや糖尿病の治療に使われるお薬で近年注目を集めています。

この記事ではリベルサスの効果や注意点について、わかりやすく解説します。

「薬の説明をもっとくわしく聞きたい!」という方はお気軽にご相談ください。

そもそもリベルサス(GLP-1受容体作動薬)とは?

リベルサス

リベルサスとは、世界初そして唯一の口から飲めるGLP-1受容体作動薬で、糖尿病やダイエットに効果があることが確認されています。

従来GLP-1受容体作動薬はサクセンダやオゼンピックなどの注射薬しかありませんでした。

リベルサスは飲み薬なので注射針が苦手な方でも安心して使用することができます。

糖尿病に対してはアメリカでは一足早く2019年9月に、日本でも2020年6月に承認され、2021年2月から正式に発売されました。

現在ダイエット目的では保険適応がなく、残念ながら自由診療となっています。

リベルサスの有効成分は「セマグルチド」で、GLP-1受容体作動薬の一種です。

なぜ痩せる?リベルサスの効果を研究結果から解説!

リベルサスの研究
  1. 体重減少に関する研究
  2. 腹囲(ウエスト)に関する研究
  3. 摂取カロリーの研究
リベルサスは、ダイエットに科学的に効果があることが分かっています!

1:体重減少に関する研究

リベルサスを用いた研究「PIONEER1」をご説明します。

2016年に糖尿病を持つ患者さん703名を対象に行われた研究で、日本人106人が含まれています。

参加者はリベルサス錠3mg投与群175名とリベルサス錠7mg投与群175名、リベルサス錠14mg投与群175名、プラセボ(偽薬)投与群178名に分けられ、治療が行われました。治療期間は26週間でした。

結果は図1をご参照ください。

26週経過後の患者さんの体重の変化は、プラセボ(偽薬)投与群で-1.5kgであったのに対し、リベルサス錠3mg投与群で-1.7kgリベルサス錠7mg投与群で-2.5kgリベルサス錠14mg投与群で-4.1kgでした。

錠剤の量が多くなるほど効果が大きくなるのが分かりますね。週ごとの患者さんの体重の推移は図2の通りでした。

< 図1 >

< 図2 >

図3をご覧ください。26週後に5%以上の体重減少を達成した人の割合はプラセボ(偽薬)投与群で23.2%、リベルサス錠3mg投与群で37.1%、リベルサス錠7mg投与群で56.9%、リベルサス錠14mg投与群で50.6%でした。こちらも錠剤の量に応じて効果が現れています。

< 図3 >

リベルサスと同じの「セマグルチド」を主成分としたオゼンピックを用いた研究「STEP1」をご紹介します。2018年に行われた糖尿病を持たない肥満症患者1961名を対象とした研究で、参加者はセマグルチド投与群1306名とプラセボ(偽薬)投与群655名に分けられ、加えて、生活習慣への介入が行われました。治療期間は68週間でした。

結果は図4をご覧ください。患者さんの体重減少の平均は、セマグルチド投与群では-15.3kg, プラセボ(偽薬)投与群では-2.6kgであり、セマグルチド投与群にダイエット効果がありました。

< 図4 >

図5をご覧ください。セマグルチド投与群では参加者の86.4%が5%以上の体重減少を達成し、69.1%が10%以上の体重減少、50.5%が15%以上の体重減少を達成しました。

< 図5 >

2:腹囲(ウエスト)に関する研究

続いて「STEP2」をご紹介します。STEP2はSTEP1同様に「セマグルチド」を主成分としたオゼンピックを用いて2018年に行われた糖尿病を持つ肥満患者さん1210名を対象にした研究です。

すべての参加者はカロリー制限と運動療法を行い、セマグルチド1.0mg投与群403名とセマグルチド2.4mg投与群404名とプラセボ(偽薬)投与群403名の3つに分けられました。

結果は以下(図6)の通りです。

< 図6 >

治療開始から68週後の参加者の腹囲減少は、セマグルチド2.4mg投与群で-9.4cmセマグルチド1.0mg投与群で-6.7cmプラセボ投与群で-4.5cmでした。

この研究の参加者の平均ウエストが114cmであることに注意が必要ですが、しっかりと効果が出ています。

なお、非糖尿病患者さんを対象にした「STEP1」でも、68週経過後のウエストの減少率はセマグルチド投与群は平均-13.5cmに対し、プラセボ(偽薬)投与群は平均-4.13cmで、セマグルチド投与群に効果がありました。

3:摂取カロリーの研究

2型糖尿病患者さん15人を対象として行われた無作為化二重盲検のクロスオーバープラセボ比較試験です。

参加者はリベルサス投与群とプラセボ投与群に無作為に割り付けられ実際の食事量や食の好みを調べました。

参加者の平均年齢は58.2歳、平均体重は93.9㎏(BMI 30.8)、HbA1c は 6.9%でした。

リベルサス投与群はリベルサス3㎎(0~4週)、7㎎(4~8週)、14㎎(8~12週)と副作用の胃腸障害が出づらいように徐々に容量を増やしています。

朝食は同じカロリーの標準的な食事が提供されますが、昼食と夕食、その後のおやつについては、カフェテリア形式で好きなものを好きなだけ自由に食べていいルールとなっています。

結果は下図の通りで、リベルサス内服により、朝食、夕食、おやつ、1日合計のカロリー量の全てが抑えられています

< 図7 >

標準的な朝食の後の自由食の昼食、自由食の夕食、自由食のスナックボックスにおける1日の総エネルギー摂取量は、セマグルチド経口投与でプラセボ投与に比べ有意に低下した。

出典: pmc.ncbi.nlm.nih.gov

リベルサスでカロリーが減るのはなぜ?

自由にとれるおやつを甘さと脂肪量で分類して、どのぐらい食べているかを調べたのが下記の図です。

*がついている

甘くて高脂肪なもの、高脂肪なもの、甘いものは統計学的に有意に現象していることが示されました。

リベルサスとその他GLP-1受容体作動薬を比較!

リベルサスとその他GLP-1受容体作動薬を比較!

リベルサスとその他GLP-1受容体作動薬の大きな違いは、使用方法です。

GLP-1受容体作動薬と言えば注射での投与が一般的でしたが、リベルサスがはじめての経口薬として2019年9月にFDAで承認されました。日本では、2020年6月に承認されています。

皮下投与である他のGLP-1類に比べ、リベルサスは吸収率が低く、変動が大きいのがデメリットです。一方で錠剤タイプの飲み薬であるため、注針が苦手な方でも安心して使用できるメリットもあります。

GLP-1の種類とそれぞれの特徴を詳しく知りたい方は、『GLP-1ダイエット薬の種類と効果について解説』も合わせてご確認ください。

リベルサスはこんな人におすすめ!

リベルサスはこんな人におすすめ!

GLP-1受容体作動薬のなかで唯一の経口薬であるリベルサスは、注射を打つのが苦手な方に向いています。

またリベルサスは、シートに入れたままの状態であれば常温で保管できるので、家族や周囲にバレたくない方にも最適です。

注射タイプのGLP-1受容体作動薬は冷蔵庫保管必須かつ、注射キットや針、アルコール綿などがあるため、一緒に生活している家族には知られるリスクが高くなります。

リベルサスの効果を発揮する正しい飲み方

1日1回、起床時に、コップの約半分程度の水と一緒に飲みます。水の量が多すぎると本来の効果が発揮できない可能性があるので、水の量は120ml以下を目安にお飲みください。

リベルサスには、成分が3mg、7mg、14mgの錠剤があります。

増量するほど効果が大きいですが、服用し始めは胃腸障害が起きやすいため、比較的少ない量から始めます。

3mgを4週間飲み続け、そのあとは7mgに増やし維持します。必要に応じて1日1回最大14mgまで増量することができます。

具体的な飲み方ですが主成分の「セマチルグド」は胃で吸収されるため、食事・飲水をする前に飲む必要があります。

ポイントをまとめると、以下の通りです。

  • 起床後(空腹時)
  • コップ半分の水で
  • 3mg・7mg・14mgのいずれか1錠

食べ物や水以外の液体と一緒に服用すると、体内に吸収される量が減少してしまいます。

同じ理由で、服用後少なくとも30分は、飲食および他の薬の摂取を避けてください。飲み忘れた場合はその日分は飲まず、翌日分から飲みましょう。

【低血糖には要注意】リベルサスの副作用

リベルサスを含むGLP-1受容体作動薬は他の糖尿病薬やダイエット薬に比べて副作用は少ないとされています。

リベルサスによる最も一般的な副作用は、胃腸障害です。

具体的には、吐き気、腹痛、下痢、嘔吐、便秘などです。これらの症状は、通常は内服を継続すると軽くなっていきます。

リベルサスの投与量が多いほど、これらの症状が起こりやすくなるので服用は比較的少ない量から始めます。

また稀にですが、重大な副作用として低血糖があります。

具体的な症状としては、冷や汗、動機、意識がもうろうとするといったことがあります。

きちんと医療機関で診療、処方を受け使用することが大切です。

医療ダイエットならファイヤークリニックへ

リベルサスについて解説しました。

リベルサスは正しく服用すれば食欲抑制効果による体重減少効果が期待できるお薬ですが、容量を誤ると重大な副作用として低血糖になるリスクがあります。

医療ダイエットの知識が豊富なクリニックで診察を受け、適切な容量を処方してもらいましょう。

ファイヤークリニックは、医療ダイエットを専門とするクリニックです。リベルサスやその他GLP-1受容体作動薬の取り扱いもあるので、食べ過ぎが原因で太ってしまった方はぜひご相談ください。

ファイヤークリニック

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員

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