FIRE CLINIC(ファイヤークリニック)

ダイエットに効果的な飲み薬「リベルサス」とは?

みなさん、こんにちは。FIRE CLINICです。
みなさんは、「リベルサス」というお薬をご存知でしょうか?
リベルサスはGLP-1受容体作動薬の一種でダイエットや糖尿病の治療に使われるお薬で
近年注目を集めています。
GLP-1受容体作動薬については「GLP-1ダイエット薬の種類と効果について解説」もあわせてご参照ください。
本記事ではリベルサスの効果や注意点を最新の医学論文や専門家の意見を元にみなさんにできるだけ分かりやすくご説明します。

より詳しい薬の説明を聞きたい方はFIRE CLINICまでご相談ください。

 

リベルサスとは

リベルサスとは世界初そして唯一の口から飲めるGLP-1受容体作動薬で、糖尿病やダイエットに効果があることが確認されています。

飲み薬なので注射針が苦手な方でも安心して使用することができます。

糖尿病に対してはアメリカでは一足早く2019年9月に、日本でも2020年6月に承認され、2021年2月から正式に発売されました。

現在ダイエット目的では保険適応がなく、残念ながら自由診療となっています。

リベルサスの有効成分は「セマグルチド」で、GLP-1受容体作動薬の一種です。

飲み方

1日1回、朝食前に飲みます。成分が3mg、7mg、14mgの錠剤があります。

増量するほど効果が大きいですが、服用し始めは胃腸障害が起きやすいため、比較的少ない量から始めます。

3mgを4週間飲み続け、そのあとは7mgに増やし維持します。必要に応じて1日1回最大14mgまで増量することができます。

具体的な飲み方ですが主成分の「セマチルグド」は胃で吸収されるため、食事・飲水をする前に飲む必要があります。

次の3点がポイントです。

  1. ①通常、起床後、空腹の状態でコップ約半分の水とともに3mg錠、7mg錠、14mg錠のいずれか1錠を服用します。食べ物や水以外の液体と一緒に服用すると、体内に吸収される量が減少してしまいます。
  2. ②同じ理由で服用後少なくとも30分は、飲食および他の薬の摂取を避けてください。
  3. ③飲み忘れた場合はその日分は飲まず、翌日分から飲みましょう。

<図1>

 

副作用

リベルサスを含むGLP-1受容体作動薬は他の糖尿病薬やダイエット薬に比べて副作用は少ないとされています。

リベルサスによる最も一般的な副作用は、胃腸障害です。

具体的には、吐き気、腹痛、下痢、嘔吐、便秘などです。これらの症状は、通常は内服を継続すると軽くなっていきます。

リベルサスの投与量が多いほど、これらの症状が起こりやすくなるので服用は比較的少ない量から始めます。

また稀にですが、重大な副作用として低血糖があります。

具体的な症状としては、冷や汗、動機、意識がもうろうとするといったことがあります。

きちんと医療機関で診療、処方を受け使用することが大切です。

 

そもそもGLP-1受容体作動薬って何?

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事に含まれるブドウ糖やタンパク質、脂肪など様々な栄養素から刺激を受け、腸から分泌されるホルモンです。

GLP-1受容体作動薬は腸にはたらきかけて体内のGLP-1を増やす効果があります。

次のような代表的な作用があります。詳しくは「GLP-1ダイエット薬の種類と効果について解説」もあわせてご参照ください。

  • ①GLP-1は膵臓に働きかけ、インスリン分泌を促進したり、グルカゴン分泌を抑制したりし、体内の血糖値を直接的に低下させます。
  • ②胃内容物排出抑制作用があり、血糖値(空腹時、食後ともに)を低下させます。
  • ③食欲抑制作用があり、非肥満、肥満どちらの方にも体重の低下作用があります。
  • ④骨格筋の筋組織の血流を増加させ、脂肪分解を促進します。

<図2>

 

リベルサスはこれまでのお薬どう違う?

従来のオゼンピック、サクセンダ、トルリシティといったGLP-1受容体作動薬はお腹や太ももの皮下に注射が必要でした。

リベルサスはSNAC(サルカプロザートナトリウム)と呼ばれる吸収促進剤を使い口から飲むことを可能にしています。

SNACは錠剤周囲の胃酸を中和し、口から飲んだときに胃酸による分解から錠剤を保護する役割があります。

さらにSNACは胃粘膜細胞への吸収を促進させる働きをもっています。この画期的な発見でGLP-1受容体作動薬を飲み薬として使うことを可能にしています。

図3

 

リベルサスはダイエットに効果的なのか?

 

ダイエットに科学的に効果があることが分かっています!

①体重減少

リベルサスを用いた研究「PIONEER1」をご説明します。

2016年に糖尿病を持つ患者さん703名を対象に行われた研究で、日本人106人が含まれています。

参加者はリベルサス錠3mg投与群175名とリベルサス錠7mg投与群175名、リベルサス錠14mg投与群175名、プラセボ(偽薬)投与群178名に分けられ、治療が行われました。治療期間は26週間でした。
結果は図4をご参照ください。
26週経過後の患者さんの体重の変化はプラセボ(偽薬)投与群で-1.5kgであったのに対し、リベルサス錠3mg投与群で-1.7kg、リベルサス錠7mg投与群で-2.5kg、リベルサス錠14mg投与群で-4.1kgでした。錠剤の量が多くなるほど効果が大きくなるのが分かりますね。週ごとの患者さんの体重の推移は図5の通りでした。

 

 

<図4>

 

 

<図5>

 

 

図6をご覧ください。26週後に5%以上の体重減少を達成した人の割合はプラセボ(偽薬)投与群で23.2%、リベルサス錠3mg投与群で37.1%、リベルサス錠7mg投与群で56.9%、リベルサス錠14mg投与群で50.6%でした。こちらも錠剤の量に応じて効果が現れています。

<図6>

 

 

リベルサスと同じの「セマグルチド」を主成分としたオゼンピックを用いた研究「STEP1」をご紹介します。2018年に行われた糖尿病を持たない肥満症患者1961名を対象とした研究で、参加者はセマグルチド投与群1306名とプラセボ(偽薬)投与群655名に分けられ、加えて、生活習慣への介入が行われました。治療期間は68週間でした。

結果は図7をご覧ください。患者さんの体重減少の平均は、セマグルチド投与群では-15.3kg, プラセボ(偽薬)投与群では-2.6kgであり、セマグルチド投与群にダイエット効果がありました。
<図7>

 

 

 

図8をご覧ください。セマグルチド投与群では参加者の86.4%が5%以上の体重減少を達成し、69.1%が10%以上の体重減少、50.5%が15%以上の体重減少を達成しました。

<図8>

②腹囲(ウエスト)
続いて「STEP2」をご紹介します。STEP2はSTEP1同様に「セマグルチド」を主成分としたオゼンピックを用いて2018年に行われた糖尿病を持つ肥満患者さん1210名を対象にした研究です。すべての参加者はカロリー制限と運動療法を行い、セマグルチド1.0mg投与群403名とセマグルチド2.4mg投与群404名とプラセボ(偽薬)投与群403名の3つに分けられました。
結果は図9をご覧ください。
治療開始から68週後の参加者の腹囲減少はセマグルチド2.4mg投与群で-9.4cm、セマグルチド1.0mg投与群で-6.7cm、プラセボ投与群で-4.5cmでした。週ごとの推移は下の図を御覧ください。この研究の参加者の平均ウエストが114cmであることに注意が必要ですが、しっかりと効果が出ています。
なお、非糖尿病患者さんを対象にした「STEP1」でも68週経過後のウエストの減少率はセマグルチド投与群は平均-13.5cmに対し、プラセボ(偽薬)投与群は平均-4.13cmで、セマグルチド投与群に効果がありました。

<図9>

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はリベルサスの効果と副作用を中心に説明しました。
ダイエットにも効果があることがご理解いただけたら幸いです。
FIRE CLINICでも取り扱いがございますので、お気軽にご相談ください。

 

参考文献

図1 ノボ ノルディスク リベルサス®錠 製品ページより引用

図2 Deborah Hinnen. Glucagon-Like Peptide 1 Receptor Agonists for Type 2 Diabetes. Diabetes Spectr 2017;30(3):202–21  Figure1を日本語に改変

図3 ノボ ノルディスク リベルサス®錠 製品ページより引用

図4 Vanita R. Aroda, Julio Rosenstock, Yasuo Terauchi, et al. PIONEER 1: Randomized Clinical Trial of the Efficacy and Safety of Oral Semaglutide Monotherapy  in Comparison With Placebo in Patients With Type 2 Diabetes. Diabetes Care 2019 Sep; 42(9): 1724-1732  Fig 1 Gを日本語に改変

図5 同上 Figure 1Eを日本語に改変

図6 同上 Table 2より抜粋・日本語に改変

図7  John P.H. Wilding, D.M., Rachel L. Batterham, M.B., B.S., Ph.D., Salvatore Calanna, Ph.D., et al. Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. N Engl J Med 2021; 384:989-1002   figure 1 Cを日本語に改変

図8 同上figure 1 Bを日本語に改変

図9 Davies M, Færch L, Jeppesen OK, et al. Semaglutide 2·4 mg once a week in adults with overweight or obesity, and type 2 diabetes (STEP 2): a randomised, double-blind, double-dummy, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet 2021; 397:971.  table 2; figure 3Aを日本語に改変

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 新宿、渋谷、銀座の3院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める