防已黄耆湯は痩せる?実際の症例から効果や向いている人を医師が解説!
「漢方を使ってダイエットしたいけど、どの漢方が合っているかわからない」
「防已黄耆湯の効果について知りたい」
「防已黄耆湯を飲むと本当に痩せる?」
「防已黄耆湯が自分に向いているか知りたい」
「防已黄耆湯の副作用があるか調べたい」
すべて解説できる記事を用意しました!
防己黄耆湯は、ツムラ20番のとても有名な漢方です。
結論、防己黄耆湯は「水太り」「むくみ」を防ぐ薬であり、体重減少の効果が認められています。
この記事を読むと、「防已黄耆湯」が自分に合っているかどうか理解し、実際に試すかどうかを自分で決められるようになります。
より詳しい内容を動画で解説しているので、以下からご覧ください。
Contents
防已黄耆湯とは?
防已黄耆湯は、体に水分が溜まりやすい体質の方に処方される漢方薬です。
汗をかきにくかったり、湿気で体が重くなる時に使われることが多く、胃腸のはたらきを支えながら余分な水分を外へ流れやすくします。体が軽く感じやすくなるのが特徴です。
防已黄耆湯に含まれる生薬

防已黄耆湯は、上記の6つの生薬で構成されています。効果も上記の通りですが、もっとわかりやすく解説すると、それぞれ以下のような作用を持っています。
- 防已:体に溜まった水分を外へ流す作用を持ち、関節の重だるさにも使われます。
- 生姜:体を内側から温め、消化の流れをスムーズにします。
- 甘草:全体の調和をとり、緊張をゆるめる役割があります。
- 黄耆:体力や気のめぐりを支え、汗のバランスを整える役割があります。むくみやすい体質の土台を支えます。
- 白朮:胃腸を整え、体にこもった湿気を飛ばすはたらきがあります。
- 大棗:胃腸をいたわり、他の生薬が働きやすいようにバランスを整えます。
どれも胃腸と水分代謝に関わる生薬で、水太り体質への相性が良い組み合わせです。
防已黄耆湯の効果・効能
防已黄耆湯は、体の中で滞っている水分を外へ流す方向へ整えます。胃腸のはたらきが安定するとエネルギー代謝が上がりやすく、疲れにくい状態に近づくのも特徴です。
主な効果は以下の通りです。
- 余分な水分を流してむくみを軽減
- 食後の重だるさや倦怠感のケア
- 汗が出にくい状態の改善
- 体力が落ちやすい方の基礎的なエネルギーを支える
“痩せやすい状態の土台づくり”に関わる処方として扱われることがあります。
防已黄耆湯はどんな症状で処方される?
- 下半身のむくみやすさ
- 湿気の多い日に体が重くなる
- 汗が出にくい
- 軽い運動でも息が上がりやすい
- 食後にだるくなりやすい
防已黄耆湯は、上記のような症状がある方に処方されるケースが多いです。
体に水が溜まっている感じがベースにある方に合いやすい処方です。
本当に痩せる?防已黄耆湯のダイエット効果を症例で確認!
防已黄耆湯のダイエット効果について、実際の症例報告をもとに解説します。水太り体質に使われる処方ですが、研究では「体重」だけでなく「血液データ」にも変化が見られています。
症例①:内臓脂肪型糖尿病の患者に投与した研究(1998年)
- 対象:内臓脂肪型の糖尿病患者
- 期間:6ヶ月
- 内容:防已黄耆湯を単独で投与
- 内臓脂肪が明確に減少
- コレステロールが低下
- 血糖値が改善
代謝面にプラスの変化が出ており、体重だけでなく「内臓脂肪・血液データ」に変化が出たことが特徴的です。糖尿病の方を対象とした研究ですが、水分代謝・代謝の底上げへの影響が確認されています。
症例②:防風通聖散と併用した研究(1972年)
- 処方:防風通聖散5g + 防已黄耆湯5g
- 期間:6ヶ月
- 対象:肥満症の患者
- 体重:2kg減
- 胸囲:86 → 76cm
- 腹囲:100 → 85cm
- 中性脂肪:288 → 78mg/dl(大幅に低下)
むくみ(防已黄耆湯)と内臓脂肪(防風通聖散)の両方を狙う処方で、サイズの変化が大きい症例です。
当院でも併用するケースがある理由は、この研究からも読み取れます。
出典:有地 滋・岡田 雄作 (1972). 漢薬の肥満体に対する効果(第1編). 『日本東洋醫學會誌』23: 183-187.
症例③:BMI25前後の女性を対象にした研究(2005年)
- 対象:BMI25前後の女性
- 投与:防已黄耆湯を1日3回
- 期間:24週間(約6ヶ月)
- 12週で:1.9kg減
- 24週で:2.4kg減
- ※後半12週の減少は0.5kgと小さい
注目すべきなのは「後半の12週では0.5kgしか減っていない」ということです。
つまり、「最初の体重減少は目立つが、長期的には効果が鈍くなる」と言えますね。
この結果は「身体のむくみを取る」という防己黄耆湯の作用をよく反映しています。
こちらの研究については、動画でも解説しているので、合わせてご確認ください。
症例まとめ:専門家の意見と体質の違い
中医学の専門家の中には、“ダイエット漢方”というくくり自体に否定的な意見もあります。
- 食べすぎ×便秘タイプ → 防風通聖散
- 食べていないのにむくむタイプ → 防已黄耆湯
つまり、体質によって処方が変わり、防已黄耆湯を万能のダイエット薬と位置づけるわけではないという立場です。
一方、有地先生の研究では以下の見解も示されています。
- 防風通聖散:がっちり体型の肥満
- 防已黄耆湯:水ぶくれタイプの肥満
- 併用は単剤より効果が高い
“体質に合わせれば有効”という視点が強く、ダイエット目的で使われる根拠がここにあります。
防已黄耆湯はむくみやすい方におすすめ
- 水分が溜まりやすい
- むくみやすい
- 身体が重く感じやすい
防已黄耆湯は、交感神経を刺激する麻黄などが入っていないため、代謝を強く押し上げるタイプの漢方ではありません。
そのため、単剤で大幅に体重が落ちるケースは少ないです。
ただし、上記ような体質の方に使うと、体のラインがすっきりしやすく、見た目の変化を感じるケースがあります。医療ダイエットの入り口としても取り入れやすい処方です。
オンラインでダイエット漢方の処方が受けられます!
顆粒が苦手という方のために、錠剤タイプも用意しています!
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ファイヤークリニック
いつ飲む?防已黄耆湯の効果的な飲み方
防己黄耆湯は1包2.5gとなっており、「1日2〜3回で合計7.5g」を摂取するのがおすすめです。
ただし、ご高齢の方は薬の代謝能力が落ちているため、注意が必要です。
「1日2回で5g」など、少なめにしておく方が安全かもしれません。
理想的には、食前に白湯に溶かしてゆっくり内服します。
とはいえ、忙しい方は難しいと思いますし、袋から直接飲んでも十分に効果を感じられます。
POINT
防已黄耆湯の飲み方のポイント
- 1日2〜3回に分けて飲む
- 食前もしくは食間に飲む
- 代謝が悪いと感じる場合は量や回数を調整する
防已黄耆湯の副作用
- むくみの悪化
体に水が溜まりやすいタイプに使う処方ですが、まれに体質と合わず、逆にむくみが強まるケースがあります。 - 胃の不快感
蒼朮・生姜などの働きで胃腸が動きやすくなるため、体調によっては食欲低下や胃もたれが出ることがあります。 - 血圧が下がりやすくなる
水分が抜けていくことで、一時的にだるさや立ちくらみを感じることがあります。 - 低カリウム血症(まれ)
甘草の作用によって、カリウムが下がるリスクがあります。足のつり・だるさ・むくみの悪化がサインになることがあります。
防已黄耆湯は体に合えば穏やかに働きますが、生薬の組み合わせによって副作用が出る場合があります。とくに水分代謝に関わる処方なので、体質との相性がズレると違和感が出やすいです。
見られやすいのは、胃の不快感やだるさ、むくみの変化など。蒼朮や生姜の影響で胃腸が動きやすくなるため、食欲が落ちたり、胃が重く感じたりする場合があります。
また、余分な水分が抜ける過程で立ちくらみが出る方もいます。甘草が含まれるため、まれにカリウムが下がるケースも。足がつりやすくなったり、だるさが続く時は念のため注意が必要です。
さらに、心臓や腎臓に持病がある方、高血圧で甘草を含む薬を複数使っている方は反応が強めに出る場合があります。飲み始めてから体が重く感じる、むくみが引かないなどの変化があれば、早めに医療機関へ相談すると安心です。
防已黄耆湯を飲まない方がいい人
防己黄耆湯は飲みやすく、副作用も少ないため、「人を選ばない薬」だと言えます。
ただし、以下の2つにあてはまる方は注意が必要です。
- 肝機能が悪い
- カリウムが低い
まれに防己黄耆湯の副作用として「肝障害」「低カリウム血症」を起こす場合があり、上記にあてはまる場合は服用しない方がよいでしょう。
また、妊娠・授乳中も防己黄耆湯を含むダイエット漢方の服用は避けた方がよいでしょう。
注意
低カリウム血症を防ぐために
低カリウム血症の症状としては、手のしびれや手の震えなどがあります。
予防のためには、野菜をしっかり摂ることが重要です。
防己黄耆湯を飲む方は、カリウムのもとになる野菜を普段の食事で意識して取り入れてください。
防已黄耆湯を服用する際の注意点
防已黄耆湯は、甘草を含む処方なので、ほかの甘草入りの薬を併用している場合は体のだるさや足のつりが出やすくなることがあります。カリウムが下がる影響が重なると不調につながりやすいため、複数の漢方を同時に飲む予定がある方は事前に確認しておくと安心です。
また、体に水分が溜まりやすいタイプに向けた処方であるものの、相性が合わないと逆にむくみが続くケースがあります。何度も言いますが、飲み始めてから体が重く感じる、立ちくらみが出る、といった変化があれば早めに相談したほうが良いです。
腎臓や心臓の病気がある場合も慎重に扱う必要があります。水分バランスに関わる処方なので、持病の状況によっては量の調整が必要になることがあります。
体調に波がある時期や脱水気味のときに飲むと効き方が強く出る方もいます。のどの渇きやだるさが続く場合は無理をせず、一度中断して医療機関に相談してください。
注意
とくに注意したい人
- 心不全・腎機能のトラブルがある
- 高血圧で甘草を含む薬を複数使用している
- 漢方でむくみが悪化した経験がある
- 妊娠中で体調変動が大きい
防已黄耆湯のよくある質問
防已黄耆湯を検討する際に出てきやすい疑問をわかりやすくまとめました。
Q:市販と病院で処方されるものに違いはある?
どちらも成分の構成は基本的に同じですが、使われている生薬の質や配合の細かい部分がメーカーによって異なります。
病院で処方されるものは体質や症状に合わせて量を調整できるため、むくみや重だるさの原因を踏まえて使える点が大きな違いです。自己判断で合わない量を続ける心配がないのも病院処方ならではです。
Q:防已黄耆湯を処方してもらうには?
むくみやすさ、食後のだるさ、汗のかきにくさなどを医師に伝えたうえで、体質や舌・脈の状態をチェックしてもらうのが基本です。もちろん、これらの症状が出ている場合、です。
水分が溜まりやすいタイプに合う処方なので、症状の出方や生活パターンを細かく聞かれることがあります。当院でもオンラインでダイエット漢方の処方が受けられますので、お気軽にご相談ください。
Q:防已黄耆湯は長期間飲み続けても肝機能は問題ない?
防已黄耆湯そのものが肝臓に負担をかけるケースは多くありません。
ただ、甘草を含む処方なので、ほかの漢方や市販薬と重なるとだるさやむくみの変化が出やすくなります。
肝機能に不安がある方や、長期間の服用を考えている方は、定期的に血液検査を受けながら続けると安心です。
まとめ|ダイエット漢方のご相談はファイヤークリニックへ
- 防已黄耆湯は6種類の生薬を成分とした漢方薬
- 防風通聖散と併用するのがおすすめ
- むくみがあり、代謝や便通が悪い方に効果的
- 原則、飲み合わせが悪い薬はなし
- どんな人も飲めるが、妊娠や授乳されている方は注意が必要である。
万能薬である防已黄耆湯はオンラインでの処方が可能です。
この記事を読んで「防己黄耆湯を試してみたい!」と、興味が出てきた方はぜひお問い合わせください!
オンラインでダイエット漢方の処方が受けられます!
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PROFILE

- FIRE CLINIC総院長
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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