ハイフ・サーマクール・リニアのそれぞれの特徴

はじめに

美容医療でたるみや引き締めに使用される施術には、ハイフ、サーマクール、リニアの3つが代表的と言われます。それぞれの施術にはどのような特徴があるのでしょうか?ここでは3つの施術のメリット・デメリットを紹介しますので、ご自身が施術を選ぶ際の参考にしてください。

1. ハイフ

HIFU(ハイフ)とは、高密度焦点式超音波という技術を利用した機器です。真皮層・脂肪層・SMAS層に対しそれぞれ専用のカートリッジを使い分けながら照射します。「焦点式」の言葉通り、狙った層のみ点状に熱を加える仕組みになっているため表皮や焦点とする組織以外を傷つけずダウンタイムがほとんどないことが特徴です。SMAS層という皮膚の深い部分までを収縮させる作用を持つため、引き締めよりも引き上げを得意とします。効果は直後から現れ、施術の1〜2ヶ月後にピークとなり、その後は個人差がありますが3〜6ヶ月程度持続します。主要に使われる機器はウルセラ、ダブロ、ウルトラフォーマーⅢ、ウルトラセルQプラスで、選ぶ機器やショット数により価格帯は大きく変化します。

2. サーマクール

サーマクールとは2002年に、アメリカのThermage社によって開発された皮膚表面を冷却しながら高周波で真皮層に熱を加えるたるみ治療器です。日本の厚生労働省にあたるアメリカFDA(食品医薬品局)、カナダHPFB(健康製品食品局)の承認を得ており、数あるたるみ治療器の中でも歴史が長く実績のある治療器といえます。ハイフは真皮深層〜SMAS層をターゲットとしリフトアップ効果をもたらすのに対し、サーマクールは真皮中層〜脂肪層をターゲットとし「縦方向」「横方向」「奥行き」の3方向から立体的なたるみの引き締め効果を発揮します。その他にも1回の照射で5〜35%のコラーゲン繊維が生成されるため潤い感やたるみ毛穴の改善効果や熱によるニキビの原因菌抑制効果も得られます。従来のサーマクールは痛みが強いというデメリットがありましたが、最新型のサーマクールCPTはバイブレーター機能の搭載などの改良を重ね、痛みが5分の1程度まで抑えられました。

3. リニア

リニアとはウルトラセルQプラスというハイフ治療器のモードの一種です。従来のハイフは点状(ドット)照射をすることでコラーゲンの再生や筋膜の引き締め、リフトアップを目的としたものでした。それに対しリニアは線状(ライン)照射により脂肪細胞を破壊し、アポトーシス(細胞の自然死)を起こすことで痩身効果を狙った治療です。破壊された脂肪細胞は代謝され体外へ排出されるため、半永久的な効果が期待できます。初回直後から効果を実感しやすい治療ですが、脂肪の量に応じて3〜6回程度繰り返すことでよりスッキリとした印象に仕上げることが可能です。皮下脂肪の多いフェイスラインと顎下を照射範囲とするためフェイスラインや口元のもたつき、二重顎が気になる方におすすめです。

4. それぞれのメリット・デメリット

4-1. ハイフ

近年は「ウルトラセルQプラス」という痛みが比較的少ない機器の登場や需要の高まりによる価格低下などにより、ハイフは消費者にとってかなり身近な存在となってきています。ダウンタイムもほとんどなく30分程度で治療を受けられるため、忙しい方にもおすすめです。ただし、ハイフは神経が複雑に走行する顔に対し深部まで作用させる施術ですので、痺れや麻痺といった神経損傷のリスクが考えられます。安全面や効果を考慮し、正しい知識をもった施術者の元で治療を受けるようにしましょう。

4-2. サーマクール

サーマクールは米国FDAの承認を受けた安全性の高い機械であり、メスを使わずにたるみ治療ができるため「切らないリフトアップ」とも呼ばれます。頬のもたつき、皮膚のたるみ、小皺が気になる方はサーマクールがおすすめです。強力な引き締め効果を持つため照射直後から効果を実感する方も多く、半年〜1年ほど持続するためメンテナンスの回数は少なく済みます。照射範囲やショット数にもよりますが施術は1〜2時間程度かかること、費用も400ショットで20万円以上が相場であるためハイフと比較すると手軽には受けにくいと感じるでしょう。

4-3.リニア

ハイフやサーマクールと比較し痛みが少なく、10分程度で照射が終了し、予算も低めであることから美容医療が初めての方でも比較的手軽に受けやすい施術です。効果が半永久的に持続するため「終わりの見える治療」としても人気があります。フェイスラインと顎下以外には照射不可であるため、照射範囲外の脂肪が気になる場合は脂肪溶解注射など他施術と組み合わせる必要があります。また、脂肪の量が多い場合や一度で治療を終えたい方には脂肪吸引の方がおすすめです。あくまでも痩身を目的とした治療であるため、たるみも気になる場合はハイフや糸リフトなどリフトアップ系の施術で仕上げをすると満足度が高まります。リニアで一度破壊した脂肪細胞は元に戻らないため、ボリュームが少ないことでお悩みの方や頬のコケが気になる方は注意が必要です。照射前に必ず施術者に伝えておきましょう。

さいごに

それぞれの施術の比較がお分かりいただけましたでしょうか。ファイ―ヤ―クリニックではハイフとサーマクールそれぞれの最新機器を揃えております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

ファイヤークリニック

PROFILE

江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。