GLP-1ダイエットは食事を抜くよりも適切に痩せる方法です
はじめに
耐えるだけの過酷なダイエットは精神的に非常に辛いものです。続かなかったり、リバウンドしてしまったりと、満足のいかない結果に終わった経験はありませんか?
また、食事を無理やり抜いてダイエットをしようとしても上手くいかないことありませんでしたか?
GLP-1ダイエットは、辛いダイエットを行わずに、いつも通りの生活にGLP-1を取り入れるだけで健康的に痩せることができるとされています。
ここでは、海外各国ですでに肥満症治療薬として認可されているGLP-1ダイエットと、GLP-1ダイエットに使用される薬剤の一つである「メトホルミン」についてご紹介します。
また、食事を抜いてもダイエットで上手くいかないりゆうについても述べていきます。
GLP-1ダイエットの概要については「GLP-1ダイエットの効果って?痩せる方法と値段について解説」をご確認ください。
また、より詳しい内容についてはFIRE CLINICにご来院いただければと思います。
ファイヤークリニック
GLP-1とは?
そもそもGLP-1とは、グルカゴン様ペプチド-1のことで、元々人間の体内に存在するホルモンです。別名「痩せるホルモン」と言われたりします。
食事摂取の過程で小腸から分泌され、血糖値を安定させるインスリンの分泌を促す働きをします。
https://www.club-dm.jp/basic/GLP-1.html
なぜあの人は食べる量が多いのに太ってないの?
と疑問に思うことはありませんか?
肥満の方と痩せ体質の方の違いには、体内に分泌されているGLP-1がの量が異なっていることも原因の一つと考えられます。
GLP-1の分泌量が少ない方は、食事の消化と吸収が早く、なかなか満腹感を得られません。従って、食事の摂取量が多くなり、太りやすくなる傾向があります。
一方、GLP-1の分泌量が多い方は、胃腸での消化と吸収が穏やかです。少ない食事量でも満腹感を得やすく、食欲も旺盛になりにくい特徴があります。
体内のGLP-1の分泌量によって太りやすかったり痩せやすかったりします!
そこで、GLP-1を体内に摂取することでダイエットに有効と多くの実験結果が出ており、アメリカ、ヨーロッパ、韓国ではGLP-1を注射などにより外部から摂取することが肥満に効く治療として承認されています。
※アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)、ヨーロッパではEMA(ヨーロッパ医薬品庁)、韓国ではMFDS(韓国食品医薬品安全処)によって肥満治療薬として承認されています。
GLP-1で痩せるメカニズム
GLP-1は、日本では「2型糖尿病の治療薬」としても広く使用されています。
血糖のコントロールをする以外に、胃から腸への排出を遅らせ、食欲中枢に働きかける作用を持ちます。
太りやすい方や肥満体質の方がこのGLP-1を取り入れると、胃酸の分泌機能と腸の排出機能を低下し、食べた物が胃腸に留まりやすくなります。
ゆっくりと消化活動を行える為満腹感が持続し、「もう満腹だから食べなくて大丈夫」という信号が送られ、自然と食べる量を減らすことができるのです。
https://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/h60_spletter.pdf
生理学講座統合生理学部門の岩﨑有作氏と矢田俊彦教授は、食後に同時に分泌される腸ホルモンのGLP-1 と膵ホルモンのインスリンが相乗的に「求心性迷走神経を活性化すること」を発見し、その研究成果がNeuropeptidesに掲載されました。
https://mitpress.mit.edu/books/neuropeptides
タイトル名が「神経ペプチド(Neuropeptides)」という専門誌です。
肥満体質なだけでなく、むくみやすい方はさらに太って見えてしまうため、悩んでおられるかもしれません。
GLP-1は、水分量が体内に増えることで発生するむくみにも効果があると言われています。
塩分過多の食生活になると身体の塩分濃度を引き下げようとする機能によって水分を排出できず、むくみやすくなります。
GLP-1には「ナトリウム利尿作用」というものがあるとされており、塩分を身体から排出してくれる機能があり、塩分が排出しやすい体質に。
結果としてむくみの解消につながります。
GLP-1ダイエットで得られる効果
GLP-1ダイエットで得られる効果として以下のものがあると言われています。
- 食欲が自然に抑えられる
- 消化・吸収が穏やかであるため、空腹になりにくい
- 食べ過ぎを防ぎ、血糖の急上昇を抑え、高血糖を予防
- ナトリウムの排泄を促す
GLP-1ダイエットに向いている方は下記に当てはまる方です。
ちなみにGLP-1ダイエットに向いている方は以下のとおりです。
- 肥満体型(BMIが27以上)
- ついつい食べ過ぎてしまう
- 食事制限がストレス
- 運動が苦手で、ダイエットが長続きしない
- ダイエットに成功しても、リバウンドしてしまう
もともとBMIの値が低い痩せ体質の方には効果を発揮することが難しいとされています。
では、こうしたGLP-1を摂取するとして、一方でそもそも食べなければ「痩せられる」と考えられませんか?
結論、食事を抜くことはダイエットに適切な方法とは言えません。次節で詳しく話していきます。
食事を抜いてもなぜ痩せない
ダイエット中に、「1日2食に減らしているのに痩せない」「断食しているのに痩せない」という経験をしたことはありませんか?
食事量を減らしているのに痩せないのは精神的にもストレスになってしまいますよね。
このことには、「血糖値の急上昇」が大きく関わっています。
空腹感を長く感じてから食事をすると、血糖値が急上昇します。
お相撲さんは1日あたりの食事は基本的に2回。これは血糖値の急上昇をあえて起こすことで脂肪をつきやすくしているのです。
糖分が体に入ると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。
このインスリンの働きによって臓器は糖を取り込み、エネルギーとして使います。
血糖値の急上昇は、血液に糖(エネルギー)が急激に増えている状態です。糖は細胞に送られてエネルギーとして利用されますが、大量の糖は使い切れません。
その糖はどこに行くのかというと、実はそれが脂肪へと転換してしまうのです。
糖の放出を抑えるには?メトホルミンが効果的
逆に言えば、糖の放出を防ぎ、ブドウ糖が吸収されなければ血液中の糖が減少し、インスリン分泌も抑えられます。
このような状態にするのがメトホルミンという薬です。
メトホルミンは、主に肝臓で働き、糖を分解します。
体内に糖を放出するのを抑制し、食後の腸管でのブドウ糖の吸収を妨げる働きをします。
メトホルミンのダイエット効果を示す論文
メトホルミンの効果の検証結果には様々なものがあります。数ある中の一部をご紹介します。
<メトホルミンは脂肪を燃焼させる>
肝臓のAMPKが活性化を介した乳酸からの肝臓における糖産生量を抑制。肝臓のAMPKが活性化されると、細胞内脂肪がエネルギー源として燃焼される方向に働き、メトホルミンは消化管糖取り込み促進。結果として腸細胞内乳酸生成を促す。乳酸生成の場は腸と肝であるが、腸がメインで肝臓での糖新生を減少させる。腸管での乳酸生成を促し、筋肉や脂肪組織でのブドウ糖の取り込みを高める。メトホルミンは、腸管でのグルコース取り込みを刺激する一方で、腸管上皮細胞から血中のグルコースの輸送は抑制する。
<メトホルミンは食欲を抑制する。2019 nature>
GDF15(ペプチド成長分化因子)を増加させ、脳幹の摂食中枢を抑制に食欲を抑える。
<GLP-1分泌促進作用がある>
直接作用:β-catenin-TCF7L2を介する
間接作用:FXRに作用し、回腸での胆汁吸収を抑制。増加した胆汁酸プールが、L細胞のTGR5を刺激されGLP-1分泌が増加。
<腸内細菌叢の変化による体重減少作用>
メトホルミンは、腸内細菌叢を変化させ、短鎖脂肪酸を増加させる。短鎖脂肪酸である酪酸とプロピオン酸産生菌は、腸管内糖新生を増やし、肝糖産生を減少させる。体重と食欲も減らす。腸内細菌叢の変化により下痢を起こす可能性もある。
<メトホルミンの抗腫瘍効果>
肝臓での糖新生を抑制する作用、腸管からのグルコース吸収を抑制する作用もある。カロリー制限と同じ効果を発揮することからケトン食療法にメトホルミンを併用した場合抗腫瘍効果を高めることが可能。ケトン食とメトホルミンを併用することでがんの縮小効果が高まるという論文もある。(Med Hypotheses. 77(2):171-3, 2011)
<アンチエイジング効果>
抗腫瘍作用は、インスリン分泌の低下、がん抑制遺伝子の活性化などの示唆がある。
<『2型糖尿病の日本人患者における世界標準用量メトホルミンの長期治療研究』>
【日本語訳】
<その他>
さいごに
GLP-1ダイエットやメトホルミンの効果についてご理解いただけましたでしょか。
今までの辛いダイエットが薬によってストレスなしに痩せることは嬉しいですね。通
常のダイエットとは異なり、まずクリニックで受診して服用されるものです。FIRE CLINICでは処方前のご相談だけも承っておりますので、まず事前にしっかりと知識を得ることから始めましょう。
ファイヤークリニック
PROFILE
-
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
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